初不動 (年中行事 1月28日)

初不動

右手に利剣を握り、背中に火炎を背負った憤怒の顔。不動明王のその姿は「魔を断ち、煩悩を滅する力」の象徴とされてきました。

毎月28日はその不動明王の縁日にあたり、1月28日の初縁日は特に「初不動」と呼ばれます。一年で最初の参拝の機会として多くの信者が訪れ、護摩供の煙が立ち込める境内で手を合わせる光景が各地の不動尊で繰り広げられます。縁日に参拝すると普段よりも多くのご利益が得られるという考え方は日本各地に共通しており、初不動はその年最初の機会にあたるため、新年の願いを持って訪れる人が特に集まります。

不動明王は密教における明王のひとつで、五大明王の中心に位置する尊格です。大日如来の使者として悪を滅ぼし、修行者を守るとされます。真言宗や天台宗をはじめ、禅宗、日蓮宗など宗派を超えて広く信仰されているのも特徴で、密教の世界に留まらず日本仏教全体に深く根ざした存在です。家内安全・病魔退散・国家安泰といったご利益が言い伝えられており、現代でも護摩祈願に訪れる参拝者は絶えません。

千葉県成田市の大本山成田山新勝寺は、初不動の参拝地として全国的に知られています。本尊の不動明王像は弘法大師空海が敬刻開眼したと伝わるもので、939年(天慶2年)に平将門の乱を鎮めるための祈願のため東国へ奉じられたのが開山のきっかけです。1080年以上にわたって護摩の火が絶えず焚かれ続けているとされ、年間参拝者数は1000万人を超えます。東京の目黒不動尊(瀧泉寺)は本尊が12年に一度の酉年にのみ公開される秘仏。大阪府富田林市の瀧谷不動尊明王寺は目の病への霊験で知られ、「どじょう不動」の呼び名でも親しまれてきました。