抹茶の日 (記念日 2月6日)
抹茶の歴史をたどると、その起源は中国にあります。しかし今日、世界中で「Matcha」として認知されているこの飲み物は、日本独自の茶文化の中で独立した発展を遂げました。緑茶の一種である抹茶は、遮光栽培した茶葉を蒸して乾燥させた「碾茶(てんちゃ)」を石臼で丁寧に挽いた粉末で、茶道における点前はもちろん、和菓子・洋菓子・料理の素材として幅広く用いられています。
2月6日は「抹茶の日」です。愛知県西尾市茶業振興協議会が1992年(平成4年)に制定しました。日付の由来は、茶道で湯を沸かすために用いる道具「風炉(ふろ)」の語呂合わせです。「ふ(2)ろ(6)」で2月6日。風炉は現在の作法では夏季の5月から10月にかけて使われますが、そもそも茶の湯の作法は風炉から始まったとされており、最高の形式でお点前を行う際には今も風炉が用いられます。この記念日は西尾茶創業120周年の記念と、さらなる販路拡大を目的として設けられたものです。
飲料としての抹茶には、大きく二種類あります。黒みを帯びた濃緑色の「濃茶(こいちゃ)」と、鮮やかな青緑色の「薄茶(うすちゃ)」です。一般的に茶会で親しまれるのは薄茶ですが、濃茶は茶道の奥義とも位置づけられ、使用される抹茶の品質もより高いものが求められます。甘みが強く、渋みや苦みが少ない抹茶ほど高品質とされ、高価になります。
抹茶の品質管理において注目したいのが「合組(ごうぐみ)」という技術です。茶舗では、年ごとの茶葉の出来に左右されず安定した味わいを提供するため、複数の畑の茶葉を組み合わせて配合します。これはウイスキーや日本酒における「ブレンド」に相当する職人技であり、茶師の経験と感性が問われる仕事です。消費者が毎年同じ味の抹茶を楽しめる背景には、こうした目に見えない技術の積み重ねがあります。
西尾市は愛知県の西三河地域に位置し、日本有数の抹茶産地として知られています。温暖な気候と適度な降雨量が高品質な茶葉の栽培に適しており、全国の抹茶生産量の約2割を西尾市が担うともいわれています。抹茶スイーツや抹茶ラテが世界的なブームとなる以前から、この地では抹茶文化が脈々と受け継がれてきました。
なお、茶にまつわる記念日はほかにも複数あります。5月2日は「緑茶の日」、7月8日は「中国茶の日」、10月31日は「日本茶の日」です。それぞれの記念日を通じて、多様な茶文化に目を向けてみるのもよいかもしれません。
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