つばきの日 (記念日 2月8日)

つばきの日

「東の大島、西の五島」という言葉があります。椿の自生地として日本を代表するほど、長崎県五島市は島全体が椿に彩られた土地です。2月8日は「つ(2)ば(8)き」と読む語呂合わせから、五島市が制定した「つばきの日」です。

五島の椿を語るうえで外せないのが「玉之浦」という品種です。深紅の花びらの縁を白く絞り込んだ独特の模様を持ち、その幻想的な美しさから「幻の椿」とも呼ばれます。昭和22年、地元の炭焼き職人・有川作五郎氏が五島の山中で偶然発見したのが始まりで、当初は地域の人にしか知られていませんでした。その後、椿研究家の目に留まり全国に広まり、今や国内外の椿愛好家が一度は見たいと憧れる銘品になっています。玉之浦の花期は1月から3月ごろで、ちょうど「つばきの日」のある2月が見ごろにあたります。

椿との関わりは美しい花だけにとどまりません。五島では古くから椿の実を搾った椿油が生産されており、椿油の生産量日本一を記録したこともあります。椿油は食用の炒め油や天ぷら油として使われるほか、肌や髪のケアにも重宝され、錆止めや機械油としても利用されてきました。島民の日常のあらゆる場面に椿油が根付いており、五島の人々にとって椿は観賞用の花である以上に、生活を支える資源でもありました。

「つばきの日」が設けられた背景には、そうした島の文化と自然を大切に守り育てていきたいという思いがあります。毎年2月に開催される「五島椿まつり」では、展示・物産販売・体験ツアーなど多彩な企画が市内各地で繰り広げられます。約260品種・約2800本の椿が咲く五島椿森林公園では、玉之浦をはじめ珍しい品種を間近に観察できます。2026年は2月28日から3月8日の開催が予定されています。