木曽路「ふぐの日」 (記念日 2月9日)
「ふぐ」を正式な日本料理として提供する店の中で、しゃぶしゃぶとの組み合わせコースを看板に据えた外食チェーンというのは珍しい存在です。愛知県名古屋市に本社を置く株式会社木曽路は、毎年2月9日を「木曽路ふぐの日」と定め、冬の高級食材・ふぐの魅力を広く伝えることを目的としています。日付は「ふ(2)ぐ(9)」の語呂合わせで、記念日は2019年(平成31年)に日本記念日協会により認定・登録されました。ふぐはその猛毒ゆえに「当たれば死ぬ」と恐れられ、昔から「鉄砲」と呼ばれてきました。ふぐ鍋は「鉄砲のちり鍋」を縮めて「てっちり」、ふぐの刺身は「鉄砲の刺身」から「てっさ」と呼ばれるようになったのは、そんな危険なものを食べる肝試し的な感覚が由来とも言われています。豊臣秀吉が禁止令を出したほどの食材が、明治以降に下関から全国へと広がり、今や冬の高級和食の代名詞になりました。
木曽路のふぐメニューの特徴は、てっちりやてっさといった定番に加え、「とらふぐとしゃぶしゃぶコース」という独自の構成にあります。ふぐ料理専門店ではなく、しゃぶしゃぶ・日本料理の総合店だからこそ生まれた組み合わせで、一度の食事でとらふぐとしゃぶしゃぶの両方を堪能できる贅沢さが魅力です。名古屋という土地柄、食に対して「せっかくなら満足感のあるものを」という気風が、このコース設計にも表れていると言えるでしょう。
とらふぐは、数十種いるふぐの中でも特に食用として珍重される最高級品種です。身は淡泊ながらも旨みが深く、薄く引いたてっさの透明感や、てっちりで溶け出すコラーゲンたっぷりの出汁は、この時期にしか味わえない楽しみ。2月9日は、そんな「ふぐの美味しさ」を改めて意識するきっかけの日です。