輪島ふぐの日 (記念日 2月9日)

輪島ふぐの日

能登半島の先端に位置する輪島港は、天然フグ類の水揚げ量において複数年にわたって日本一を記録した漁港です。トラフグだけでなく、マフグ、ゴマフグ、ショウサイフグ、シロサバフグと、これほど多様な天然フグが一か所に集まる港は日本でも珍しく、その豊かさが「輪島ふぐ」というブランドを生み出しました。2月9日は、「ふ(2)ぐ(9)」の語呂合わせにちなんだ「輪島ふぐの日」です。

「輪島ふぐ」は、輪島港で水揚げされる天然フグ類に共通して使われる地域ブランドです。能登半島周辺の海域は、日本海と対馬暖流の影響を受けた豊かな漁場で、複数種のフグが漁獲されます。こうした多様性を強みとして、官民が一体となって商標登録を進め、産地ブランドとして全国への発信を図ってきました。記念日は2021年(令和3年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録され、情報発信と地域活性化の拠点として位置づけられています。

この記念日を制定したのは「能登半島・輪島わのしま食楽部(クラブ)」で、石川県輪島市役所産業部観光課内に事務局を置く団体です。「とらふぐ亭の日」や「木曽路ふぐの日」といった外食チェーン発の記念日とは性格が異なり、産地そのものが主役となって消費者に天然フグの魅力を直接伝えようとする点に特徴があります。

フグは高タンパク・低カロリーで、コラーゲンも豊富に含みます。フグ刺し(てっさ)や鍋(てっちり)として知られますが、輪島では新鮮な天然物ならではの旨みを活かした食べ方も広がっています。旬の時期に水揚げされたばかりの天然フグは、養殖物とは異なる締まった身質と深い風味があります。

しかし2024年1月1日、能登半島を最大震度7の地震が直撃しました。輪島港では地盤が約1.5メートル隆起し、200隻を超える漁船が座礁または出港不能となりました。水揚げ施設も損壊し、「輪島ふぐ」の漁業は深刻な打撃を受けました。2024年秋以降、刺し網漁や底びき網漁が順次再開されましたが、漁獲量は震災前の4割程度にとどまっています。「輪島ふぐ」のブランドと漁業の復興は、地域の再生そのものと重なっています。

2月9日は「輪島ふぐの日」として、能登の海の恵みと、今なお続く復興の歩みを思い起こす機会でもあります。