世界てんかんの日 (記念日 毎月第2月曜日、2月第2月曜日)
てんかんは「100人に1人」の発症率を持ち、日本国内だけで推計100万人の患者がいるとされる身近な神経疾患です。
この疾患の認知と理解を世界規模で広めようと設けられたのが、毎年2月第2月曜日の「世界てんかんの日」(International Epilepsy Day/IED)です。制定したのは国際てんかん協会(IBE)と国際抗てんかん連盟(ILAE)の2団体で、2015年(平成27年)にバレンタインデー直前の月曜日という日程を選んだのには理由があります。ヨーロッパでは聖ヴァレンタインがてんかんを持つ人々を救った聖人として長く敬われてきた歴史があり、その縁にちなんだ設定です。現在は120カ国以上で取り組みが行われる国際的な啓発活動に成長しており、日本では東京都豊島区南大塚に事務局を置く公益社団法人・日本てんかん協会が国内普及を担い、2017年(平成29年)に日本記念日協会により認定・登録されました。
てんかんとは、脳細胞のネットワークに生じる異常な神経活動(てんかん放電)によって反復性の発作を引き起こす神経疾患です。古くはソクラテスやユリウス・カエサルも発病した記録が残り、医学的知識が乏しかった時代には、発作時の激しい全身の痙攣が「狐憑き」などの憑き物として誤認され、差別の対象となることがありました。長い歴史の中で培われてきた偏見と誤解は現代にも形を変えて残っており、世界てんかんの日が「正しい知識を広めること」を最大の目的に掲げるのはこうした背景があるためです。
現在の医療では、抗てんかん薬などの適切な治療によって70〜80%の患者が発作をコントロールできるようになっています。多くの人が日常的な社会生活を送っており、てんかんがあること自体は必ずしも生活の大きな障害にはなりません。一方で、薬を服用しても発作を抑えられない「難治性てんかん」と呼ばれる状態の患者も約20%存在し、継続的な医療支援と社会的な理解が求められています。