世界社会正義の日 (記念日 2月20日)
世界の労働者の約60%がインフォーマル経済(非正規・無保護な雇用形態)に従事しており、社会保障の恩恵をほとんど受けられていない――国際労働機関(ILO)はそう指摘しています。こうした構造的な不平等に国際社会が向き合う日として毎年2月20日に定められた「世界社会正義の日」は、2007年11月の国連総会決議によって制定され、1995年のコペンハーゲン「世界社会開発サミット」を思想的な土台として、2009年から正式に実施されています。
「社会正義」という概念は、中世ヨーロッパの騎士道精神にも見いだせる古い発想です。近代になって累進課税や社会保障制度、人権保障といった具体的な政策と結びつき、この日を軸とした啓発活動はその現代的な実践を世界に問いかける場となっています。
2026年のテーマは「社会開発と社会正義への新たなコミットメント(Renewed Commitment to Social Development and Social Justice)」です。前年に開催された第2回世界社会開発サミットでの合意を受け、ドーハ政治宣言に盛り込まれた約束を具体的な行動に転換する年と位置づけられています。ILOは「社会正義のためのグローバル連合」を通じ、不平等・差別への対処や社会的保護の拡充など六つの重点分野で各国政府・労使団体と連携しており、貧困撲滅と公平な社会の実現に向けた国際的な枠組みづくりを主導しています。
ILOが2025年1月に発表した報告書によれば、世界の失業率は5%前後で推移している一方、若年層や低所得国では雇用の質そのものが深刻な問題となっています。デジタル経済・グリーン経済への移行が加速する中、恩恵を受ける層と取り残される層の格差がさらに広がるリスクも指摘されています。世界社会正義の日は、こうした課題を可視化し、政策立案者から一般市民まで幅広い層に行動を促す国際的な触媒として機能しています。