キヌアの日 (記念日 2月20日)
白米と比べてたんぱく質は約2倍、鉄分は約5倍、葉酸は約16倍。これがキヌアの基本的な栄養プロフィールです。南米アンデス山脈の高地で数千年前から栽培されてきたこの植物は、植物性食品でありながら9種類すべての必須アミノ酸を含むという、穀類では異例の特性を持っています。植物としての分類はヒユ科アカザ属で、ホウレンソウやビートと同じ科に属します。見た目は小さな丸い粒で、炊くと外周の胚芽が輪状に飛び出す独特の食感が出ます。厳密には穀物ではなく「擬似穀物」に分類され、グルテンを含まないため小麦アレルギーの人にも利用できる食材として注目されています。
2013年(平成25年)2月20日、国連食糧農業機関(FAO)が「国際キヌア年」の開幕式典を開催しました。この年、キヌアは日本ではほとんど知られていない存在でしたが、国際的な注目を受けてメディアで取り上げられるようになり、スーパーフードブームに乗って急速に認知度が高まっていきます。
その同じ日付、2016年(平成28年)2月20日に日本キヌア協会が発足しました。協会は国産キヌアの栽培促進や食育活動、キヌアを軸にした国際交流・協力活動などを目的として設立されており、2017年(平成29年)に一般社団法人・日本記念日協会によって2月20日が「キヌアの日」として認定・登録されています。国際年の開幕日と協会発足日が偶然にも重なったことから、この日付が選ばれました。
現在、国産キヌアの栽培は北海道や長野、岩手などで試みられており、輸入品が主流だった状況から少しずつ変わりつつあります。アンデスの標高3000〜4000メートル級の高地で育つ作物を日本の農地で定着させることは容易ではありませんが、協会の栽培促進活動が各地の農家と連携する形で続いています。カリウムは白米の約6倍(580mg)、カルシウムは約9倍(46mg)、マグネシウムは約8倍(180mg)と、ミネラル面でも際立った数値を示します。ビタミンB2に至っては白米の12倍に達しており、これほど多くの栄養素が一粒に凝縮されている食品は穀類の中でも珍しい存在です。食卓での使い方は幅広く、炊いてそのままご飯代わりにする以外に、スープや煮込み料理に加えたり、サラダに混ぜてプチプチした食感を楽しんだりと、料理の引き立て役としても定着してきています。