三の日 (記念日 3月3日)

三の日

日本語には「三」がつく言葉が異様に多い。三種の神器、日本三景、三大祭、三名園、三大珍味——これほど「3」という数字が文化に浸透している国も珍しい。毎月3日は「三の日」。日本三大協会が1993年(平成5年)に制定し、「3」にまつわる収集・研究を行っている記念日だ。

日本人が「3」を好む理由は、物事を3つでくくると安定するという感覚にある。「三種の神器」は歴代天皇が皇位の璽として継承してきた3種の宝物——八咫鏡(やたのかがみ)・八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)・草薙剣(くさなぎのつるぎ)を指す。この「三種の神器」という言葉は時代ごとに形を変えて使われてきた。1950年代後半には白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電3品目が庶民の憧れとして「三種の神器」と呼ばれ、さらに1960年代のいざなぎ景気時代にはカラーテレビ(Color television)・クーラー(Cooler)・自動車(Car)の3種類が「新・三種の神器」となり、頭文字の「C」から「3C」とも称された。

景観の「3」も印象深い。「日本三景」は宮島(広島県)・松島(宮城県)・天橋立(京都府)。山岳信仰の対象となった「三霊山」は富士山・立山・白山の3峰だ。庭園では兼六園(石川県金沢市)・偕楽園(茨城県水戸市)・後楽園(岡山県岡山市)が「三名園」として名を連ねる。

祭りの「3」も見逃せない。「三大祭」は祇園祭(京都・八坂神社)・天神祭(大阪・大阪天満宮)・神田祭(東京・神田明神)。食の世界では「三大珍味」としてカラスミ(長崎県)・このわた(愛知県)・ウニ(福井県)が挙げられる。いずれも産地が明確で、希少性と風味を兼ね備えた逸品ばかりだ。

なぜ「3」なのか。2では対立になりやすく、4以上では散漫になる。3つ並べると「比較・対比・まとめ」という思考の型が自然に生まれるとも言われる。洋の東西を問わず「3」は特別な数だが、日本ではとりわけ文化・信仰・美意識の核に「三」が据えられてきた。毎月3日に、身の回りの「三つ組み」を探してみるのも面白いかもしれない。