きもので祝う女性の日 (記念日 3月3日)
3月3日の桃の節句に、振袖や小紋の着物で街に出る女性が増えています。「きもので祝う女性の日」は、一般社団法人日本きもの連盟(事務局:京都府京都市)が制定した記念日で、2021年(令和3年)に日本記念日協会により認定・登録されました。ひな祭りの日に着物を着ることで、和の生活文化を身近に感じてもらうことが目的です。
着物は近年「きもの文化」として、ユネスコの無形文化遺産登録を目指す動きが広がっています。2017年に日本きもの連盟を含む9つの関連団体が「きもの文化のユネスコ登録推進連絡協議会」を設立。現在は署名活動や国際的なPR活動を通じて、世界への発信を続けています。既に久留米絣や結城紬など個別の技法は登録されていますが、「きもの文化」そのものの登録はいまだ実現していません。この記念日には、その認知拡大という意味合いも込められています。
そもそも「着物」という言葉は、もとは「着る物」つまり衣服全般を指す普通名詞でした。幕末に洋服が流入してから、それと区別するために「和服」「着物」という言葉が日本固有の衣服を指すようになりました。服飾史学者の小池三枝はこうした経緯を指摘しており、「着物」はいわばレトロニム──後から生まれた呼び方です。日常的には「洋服を着る」人が大多数になった現代だからこそ、記念日という形で着物を着る機会をつくろうという発想が生まれました。桃の節句に着物を選ぶのはハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、レンタル着物の店舗は全国各地に増え、美容院での着付けサービスも手軽になっています。この日、街なかで着物姿の女性を見かけたら、それはきもの文化の未来をつなぐ一歩かもしれません。