警察制度改正記念日 (記念日 3月7日)
1948年(昭和23年)3月6日、戦後日本の警察制度は大きな転換点を迎えました。この日施行された旧警察法により、戦前から続いてきた中央集権的な国家警察の体制が解体され、「国家地方警察」と「自治体警察」という二本立ての仕組みへと生まれ変わったのです。
戦前・戦中の警察は、内務省の強力な指揮のもとで全国を一元的に統括する組織でした。この構造は、軍閥や政党が警察力を都合よく利用することを可能にし、国民の権利を抑圧したり反対意見を封じ込めたりする手段として機能した歴史があります。敗戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)はこの反省を踏まえ、地方分権的な警察制度への抜本改革を占領政策の柱の一つに据えました。
改革を主導したのはGHQ民政局のチャールズ・L・ケーディスです。1947年(昭和22年)12月17日に公布された旧警察法に基づき、市および人口5,000人以上の市街的町村には「自治体警察」が置かれることになりました。全国で1,605単位(東京都特別区の警視庁を含む)が設置され、総定員はおよそ9万5,000人に上りました。一方、自治体警察が置かれない農村部や小規模町村は「国家地方警察」が担当し、都道府県単位で設けられた国家地方警察管区本部の指揮のもと、両者が地域ごとに役割を分担する体制が整えられました。
しかしこの制度は、財政基盤の弱い小規模市町村にとって警察を維持する負担が大きく、1951年ごろから自治体警察を返上して国家地方警察の管轄へ移行する動きが各地で相次ぎました。結果として、1954年(昭和29年)の警察法全面改正によって自治体警察は廃止され、現在のような都道府県警察を中心とする体制へと再編されています。戦後の分権化実験から約6年で、警察制度は再び広域的な統合の方向へ舵を切ることになりました。