三矢の日 (記念日 3月8日)

三矢の日

「一本の矢は折れやすくても、三本束ねれば折れない」——戦国武将・毛利元就が三人の息子に残したとされるこの教えは、広島県安芸高田市の農産品ブランドとして現代によみがえっています。

毛利元就は明応6年(1497年)、現在の安芸高田市吉田町で生まれました。一介の国人領主の家に生まれながら、200を超える合戦を経て中国地方10か国以上を支配する大大名へと上り詰めた人物です。その晩年、三人の息子(毛利隆元・吉川元春・小早川隆景)に対して「一人では心もとないが、三人が心を合わせれば何事も成し遂げられる」と説いたとされる「三矢の訓」は、時代を超えて語り継がれてきました。この逸話が初めて文献に登場するのは江戸時代とされ、真偽については諸説ありますが、元就の団結への思いを記した「三子教訓状」が残っており、その精神の核心は史実に根ざしています。

安芸高田市は、市・JA・生産者の三者が連携して育てる優良農産品を「三矢ブランド」として認定しています。まさに三本の矢の教えを体現するかたちで、品質・味・安全性のすべてに自信を持って推奨できる産品だけを選び、消費者に信頼を届ける取り組みです。ブランドには米「あきろまん」の厳選品「三矢御膳」、はぶ草茶「三矢えびす」、石臼挽きの「三矢そば」などが名を連ねます。

「三矢御膳」に使われる「あきろまん」は、うまみ・ねばり・香りの三要素が高い基準を満たした米だけを選別したものです。三つの要素が揃ってはじめて認定される点に三矢の精神が重なります。3月8日の「三矢の日」は「みつ(3)や(8)」という語呂合わせで制定されました。戦国時代に生まれた団結の教えが農業の現場に根を張り、地域ブランドとして実を結んでいる——毛利元就ゆかりの地・安芸高田市らしい記念日です。