残薬をへらす日 (記念日 3月8日)

残薬をへらす日

医師から処方された薬を飲み残したり飲み忘れたりして余った薬、いわゆる「残薬」の年間費用は最大500億円と厚生労働省が試算しています。75歳以上の在宅高齢者に限った残薬総額だけでも年間475億円に上るとされており、高齢化が進む日本において看過できない問題となっています。この膨大な薬のロスを社会全体で減らしていこうと制定されたのが、3月8日の「残薬をへらす日」です。記念日を制定したのは、薬局総合ポータルサイト「EPARKくすりの窓口」を運営する株式会社フリービットEPARKヘルスケア(東京都渋谷区円山町)で、日付は「ざん(3)や(8)く」と読む語呂合わせに由来しています。2017年(平成29年)に一般社団法人日本記念日協会により認定・登録されました。

残薬が生まれる原因はさまざまです。症状が改善したと感じた段階で患者が自己判断して服薬を止めてしまうケース、飲むタイミングを逃した飲み忘れが積み重なるケース、複数の医療機関から同種の薬が重複して処方されているケースなどがあります。特に複数の疾患を抱える高齢者は処方薬剤数が多くなりやすく、残薬の発生リスクが高まる傾向にあります。残薬問題の調査では、対象患者の平均年齢が78.6歳、後期高齢者の割合が72%に達するというデータも報告されています。

薬局では「残薬調整」という取り組みが行われています。薬剤師が調剤の際に患者へ残薬の有無と薬が余った理由を確認し、服薬状況に応じて次回の処方日数を調整したり、正しく飲むための方法を提案したりします。必要な場合は処方内容の変更を医師に照会することもあります。試算によると、全国規模でこうした介入を行えば、3か月で1,630億円、年間で6,500億円超の医療費削減効果が見込まれるとされています。

「残薬をへらす日」は、こうした現状を病院・薬局・患者のそれぞれが意識し直す機会として位置づけられています。お薬手帳への記録、残薬の持参、かかりつけ薬局の一本化といった患者側の取り組みも、残薬を減らす上で有効な手段です。