LPレコードの日 (記念日 3月20日)

LPレコードの日

1951年(昭和26年)のこの日、日本コロムビア株式会社から「長時間レコード」の名前で日本初のLPレコードが発売されました。それまで主流だったSP盤(Standard Play)は1面あたり3〜5分程度しか収録できませんでしたが、LPレコードの登場によって1面30分近い長時間再生が実現し、音楽の聴き方を根本から変えることになります。

LPレコードの最大の革新は素材にあります。SP盤がシェラック(天然樹脂)で作られていたのに対し、LPはポリ塩化ビニルを採用しました。この素材変更によって、盤は薄く軽くなり、音溝(グルーブ)を従来よりも細く刻むことが可能になりました。この細い溝は「マイクログルーブ」と呼ばれ、33回転(33 1/3rpm)というゆっくりした回転数と組み合わさることで、高密度かつ長時間の録音を実現しています。標準的なサイズは直径12インチ(約30cm)ですが、直径10インチ(約25cm)のものも存在し、収録時間や用途によって使い分けられていました。世界で最初にLPレコードの量産・商品化に成功したのはアメリカのコロムビア・レコード社で、1948年(昭和23年)のことでした。日本コロムビアはその3年後に国内初の商品化を果たしたことになります。

長時間の録音が可能になったことで、交響曲や協奏曲といったクラシック音楽を途切れなく収録できるようになりました。それまでのSP盤では一つの長い楽章を複数枚に分けなければならなかったため、LPの登場はクラシックファンにとって特に大きな恩恵でした。複数の楽曲をまとめた「アルバム」という概念が定着するきっかけにもなり、音楽を作品単位で届けるという文化の土台を作りました。

その後、アメリカやイギリス、日本など各国のレコード会社がLPフォーマットに移行し、アナログ盤の世界標準のひとつとして定着しました。CDが普及した1980年代以降は生産が縮小しましたが、2000年代後半からアナログ音源の温かみを求めるリスナーによってレコード人気が再燃し、現在も新譜がLP形式でリリースされ続けています。なお、11月3日には日本レコード協会が「レコードは文化財」という考え方から「文化の日」にちなんで「レコードの日」を制定しており、LPレコードの日とは別に音楽文化を振り返る機会となっています。