世界ダウン症の日 (記念日 3月21日)
3月21日という日付は、21番染色体が3本になる「21トリソミー」という医学的事実から直接導かれています。染色体の番号と本数がそのまま日付になっています。
世界ダウン症の日(World Down Syndrome Day:WDSD)は、世界ダウン症連合(DSI)が2004年(平成16年)に制定し、2006年から正式に実施が始まりました。2012年には国連が国際デーの一つとして認定し、現在では世界各国でセミナーや写真展、啓発キャンペーンが行われています。ダウン症のある人たちとその家族、支援者への理解を広め、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けた取り組みを促進する日として位置づけられています。
ダウン症候群は染色体異常疾患のなかで最も多く見られるものの一つです。世界的には800人から1,000人に1人の割合で生まれるとされており、日本国内の患者数はおよそ5万人と推計されています。原因の約95%は標準型21トリソミーで、残りは転座型やモザイク型などが占めます。知的発達の遅れや筋緊張の低下、先天性心疾患を合併しやすいといった特徴がありますが、その程度には個人差があります。
医療の進歩はダウン症のある人の生活を大きく変えました。かつて乳幼児期に命を脅かしていた先天性心疾患や消化器疾患の手術技術が向上したことで、平均寿命は現在60歳前後まで延びています。1960年代には10歳程度とされていた平均余命と比較すると、半世紀余りで劇的な変化が起きたことがわかります。日本では100歳を超える長寿の例も報告されています。
教育や就労の面でも、状況は着実に変化しています。インクルーシブ教育の推進により、ダウン症のある子どもが地域の学校で学ぶ機会は広がっており、成人後も障害者総合支援法や就労継続支援制度を通じて、地域社会で生活しながら働くことができる環境が整いつつあります。世界ダウン症の日は、こうした変化を社会に伝え、さらなる理解と包摂を呼びかける場として機能しています。