マネキン記念日 (記念日 3月24日)
1928年(昭和3年)3月24日、東京・上野公園で始まった博覧会に、日本で初めて「マネキンガール」が登場しました。高島屋呉服店が採用したこの女性たちは、人形ではなく生身の販売員です。自ら服を着て、訪れた客に直接披露するという当時としては斬新な販売手法で、博覧会の話題をさらいました。
この博覧会は「大礼記念国産振興東京博覧会」といい、昭和天皇の即位を祝うために開催されたものです。会期は3月24日から5月22日までの約2ヶ月間、入場者数は約223万人を数えました。その舞台でデビューしたマネキンガールたちは、モデル兼販売員として華やかな存在感を放ち、大きな注目を集めたといわれています。
「マネキン」という言葉の由来をたどると、少々入り組んだ経緯があります。もともとはオランダ語で「小人」を意味する「manikin(マニキン)」が語源で、それがフランス語に入って「mannequin(マヌカン)」となりました。日本ではこのフランス語読みを英語風に転じた「マネキン」として定着しています。ちなみに化粧品業界では、フランス語の「マヌカン」が「客を招かない」という語感に聞こえることを嫌い、「招き猫」と掛け合わせて「招く=マネキン」という造語を生み出したという説も伝わっています。
一方、今日見られるような「マネキン人形」の歴史は古く、エジプトの王墓から発掘された等身大の木彫り人形が世界最古とする説があります。王の代わりに衣装の仮仕立てに使われたとされており、人体を模した道具として服飾と深く結びついてきた長い歴史があります。生身の人間が担ったマネキンガールも、人形としてのマネキンも、「服を見せる」という本質は同じです。
3月24日は、この日本初のマネキンガールデビューにちなみ「マネキン記念日」とされています。現代のファッション業界では、百貨店やセレクトショップのスタッフが自社商品を着用してコーディネートを提案する手法が広く普及していますが、その原型は約100年前の上野公園にあったといえるかもしれません。
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