はがねの日 (記念日 4月1日)

はがねの日

鉄に炭素以外の元素を加え、特定の性質を際立たせた鋼を「特殊鋼」と呼びます。自動車・航空機・精密工具——産業の核心部にこの素材は静かに使われています。4月1日は「はがねの日」です。

制定したのは、東京・日本橋茅場町に本部を置く一般社団法人・全日本特殊鋼流通協会(全特協)です。1994年(平成6年)4月1日に前身の全日本特殊鋼販売組合連合会から現在の組織へ改組した日付を記念日としました。2005年(平成17年)に制定され、2016年(平成28年)には一般社団法人・日本記念日協会による認定を受けています。

特殊鋼は、鉄に炭素のほかニッケル・クロム・マンガン・タングステンなどの元素を添加した合金鋼です。添加する元素と量の組み合わせによって、硬度・強度・耐摩耗性・耐熱性・耐食性といった特性を自在に引き上げられます。同じ「鋼」でも、用途ごとに全く異なる顔を持つ素材といえます。製造された特殊鋼のおよそ6割は自動車部品向けに使われており、歯車・クランクシャフト・ベアリングなど、高い精度と強度が求められる部品に欠かせません。

日本の特殊鋼産業は戦後の高度経済成長期に自動車・家電の需要拡大とともに発展しました。電気炉製鋼技術の普及が品質の向上と大量生産を可能にし、やがて世界有数の特殊鋼生産国へと成長しています。1960年には東北特殊鋼が電磁ステンレス鋼を世界に先駆けて開発するなど、素材技術の革新でも先進的な役割を果たしてきました。

全特協の英語名は「Japan Special Steel Distributors Association」といいます。製造メーカーと実需産業をつなぐ流通機能を担う組織であり、人材育成・調査研究のほか、毎年4月には各支部でボウリング大会・記念コンサート・清掃ボランティアなどの記念イベントを開催しています。鋼の価値と流通の重要性を広く社会に伝えることが、この記念日の目的です。