輸入洋酒の日 (記念日 4月3日)
1959年(昭和34年)4月3日、戦後の混乱が落ち着きはじめた日本で、外貨資金割当を保有する39社が集まり、ひとつの業界団体を立ち上げた。それが日本洋酒輸入協会である。平和条約発効(1952年)と日米通商協定締結(1953年)を経て、ようやく輸入洋酒の市場が形成されはじめた時代のことだ。
同協会は、輸入洋酒市場の拡大と価格の安定、円滑な輸入業務の推進を目的として設立された。東京都中央区日本橋人形町に事務局を置き、輸入酒類の普及・宣伝、海外・国内事業の調査・情報交換などの活動を続けてきた。2019年(平成31年)に発足60周年を迎えたことを機に、協会の存在感をあらためて広く知ってもらおうと、同年に「輸入洋酒の日」を制定。一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
世界各地には、それぞれの民族・歴史・文化・伝統と一体となって育まれた多彩な酒類がある。ビール、ワイン、ブランデー、ウイスキー、ウオッカ、ジン、ラム、ベルモット、リキュールなど、現在の日本ではこれらが幅広く輸入・消費されている。なかでもシードルは、リンゴを発酵させて造るリンゴ酒で、発泡性と非発泡性の両タイプがあり、リンゴ以外に同じバラ科のナシやラズベリーを原料とするものも存在する。フランス・スペイン・イギリスなどで長い醸造の歴史を持ち、各産地によって風味や製法が大きく異なるのも魅力のひとつだ。こうした洋酒は単なる飲み物にとどまらず、生産国の歴史や文化に触れる窓口にもなっている。グラスの向こうに広がる世界の物語に思いを馳せる——4月3日はそんな一日にしたい。輸入洋酒を手に取るとき、その一杯が歩んできた長い旅路を想像してみるのも一興だ。