新子焼きの日 (記念日 4月5日)

新子焼きの日

「新子(シンコ)」という名前を聞いて、まず思い浮かべるのは魚かもしれません。実際、コハダの稚魚はかつて「シンコ(新子)」と呼ばれており、旭川では若鶏をこれに見立てて「新子」と呼ぶ風習が生まれました。その名が今日も使われているのが、北海道旭川市のソウルフード「新子焼き」です。

新子焼きは、若鶏の半身をまるごと素焼きにし、タレなどで味付けをした豪快な料理です。焼き鳥の一種に分類されますが、胸・もも・手羽がひとつながりになった半身がどかんと皿に載る様は、一般的な焼き鳥とはまったく異なる迫力があります。かぶりつくように食べるのが旭川流で、炭火の香りと旨みが染み込んだタレが食欲をそそります。

この料理が生まれたのは戦後間もない時代です。旭川市内には養豚場が多く広がる一方、養鶏場は少ない状況でした。深刻な食料不足と厳しい積雪寒冷の環境のなか、比較的安価で手に入りやすい鶏肉がタンパク源として選ばれ、さらに成長を待つ余裕もないことから若鶏を使い、最大限に栄養を摂れる料理法として新子焼きが生まれたとされています。厳しい時代が生んだ知恵の料理です。

長らく北海道内でも知名度が低かったものの、2012年(平成24年)6月に地元の飲食店・食肉会社などが「旭川名物”新子焼き”の会」を結成し、積極的なPR活動を続けた結果、全国にその名が広まりました。

記念日となった4月5日は「し(4)んこ(5)」と読む語呂合わせで、2014年(平成26年)に一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録されました。旭川名物・新子焼きの美味しさをより多くの人に知ってもらうことが目的です。

現在は伝統的なタレ味の店だけでなく、イタリアンテイストを取り入れた個性派も登場しています。