鉄腕アトム誕生日 (記念日 4月7日)
2003年4月7日、鉄腕アトムは埼玉県新座市の「特別住民」になりました。アニメキャラクターが住民登録を受けた初めての例として、当日は市役所前で特別住民票が配付されました。
この日がアトムの誕生日とされているのは、漫画の連載開始日にさかのぼります。手塚治虫の「鉄腕アトム」は1952年(昭和27年)4月7日、光文社発行の月刊雑誌「少年」で連載をスタートしました。物語の中では、その50年後となる2003年4月7日にアトムが誕生するという設定が組み込まれており、連載開始日と誕生日が半世紀のスパンで結び付けられています。
アトムが生み出されたのは作中の科学省で、場所は東京都新宿区高田馬場とされており、手塚プロの旧本社所在地とも重なります。ところが2003年の住民登録では「現在の生活拠点はスタジオのある新座市」という論理で埼玉県側が登録を引き受け、新座市の顔として迎えられました。世帯主はお茶の水博士、原作の舞台設定とは少しずれた形での「市民権」でしたが、それがかえって話題を呼びました。
物語の中には、ロボットであるアトムが人間社会での市民権を求めて苦労するエピソードがあります。2003年の住民票はその文脈とも重なり、「フィクションの世界を現実が追いかけた」瞬間として受け取られました。新作テレビアニメ「アストロボーイ・鉄腕アトム」の放映開始とも重なったこの日、全国各地でイベントが開催されました。アニメ版「鉄腕アトム」のテレビ放映が始まった1963年(昭和38年)1月1日にちなみ、1月1日は「鉄腕アトムの日」として別に制定されています。漫画と、アニメと、そして現実の2003年という三つの時間軸が、この一つの記念日に重なっています。