丸亀市×サン・セバスティアン市「チャコリの日」 (記念日 4月9日)

丸亀市×サン・セバスティアン市「チャコリの日」

人口あたりのミシュランの星の数が世界一——そんな驚きの称号を持つ街が、スペイン北部のバスク地方に存在します。人口約18万人の港町、サン・セバスティアン市です。美しい弧を描くコンチャ湾を望むヨーロッパ屈指のリゾート地でありながら、旧市街の路地には「バル」と呼ばれる居酒屋が軒を連ね、世界中のグルメが押し寄せます。そのサン・セバスティアン市と姉妹都市提携を結ぶ香川県丸亀市が、両市の絆と食文化を広めるために制定したのが「チャコリの日」です。日付は1991年(平成3年)4月9日の姉妹都市提携調印日にちなみ、毎年4月9日。2019年(平成31年)に日本記念日協会により認定・登録されました。

「チャコリ」とは、バスク地方生まれの超微発泡白ワインです。現地語ではTxakolíと表記し、バスク語固有の発音に由来します。主に使われるのは、この地方原産の白ブドウ品種「オンダリビ・スリ」。アルコール度数は9.5〜11.5度と低めで、柑橘を思わせるさわやかな香り、キリッとしたフレッシュな酸味、そしてほんのりとした苦味が重なり合います。製造後1年以内に飲み切るのが基本とされ、長期熟成よりもその年の味わいをそのまま楽しむスタイルが根付いています。バルではピンチョス(一口サイズのおつまみ)と組み合わせて食前酒として飲まれることが多く、「美食の街」の日常に深く溶け込んだ地元の味です。

チャコリの楽しみ方として欠かせないのが「エスカンシア」と呼ばれる注ぎ方です。グラスを低く持ち、ボトルをできるだけ高く掲げて細く注ぎ落とすことで、液体に空気が混ざり込み、泡が弾けながら香りが立ち昇ります。この一手間が酸味をまろやかにし、口当たりを格段に良くします。

丸亀市はサン・セバスティアン市と1991年の提携以来、中学生の相互派遣など草の根の交流を続けてきました。「チャコリの日」の制定には、バスクの食文化を丸亀市でも根付かせ、「美食の街」を目指すという地域ビジョンへの共鳴があります。市内では「丸亀バルフェスティバル」が開催され、チャコリを含むワインイベントが市民団体の手で広がっています。遠く離れた二つの港町が、一杯の微発泡白ワインで結ばれているストーリーが、この記念日の魅力です。