メートル法公布記念日 (記念日 4月11日)

メートル法公布記念日

1921年(大正10年)4月11日、改正「度量衡法」が公布された。この法律が定めたのは、日本における単位制度の大転換——長さは「尺」から「メートル」へ、質量は「貫」から「キログラム」へ。長年使われてきた「尺貫法」を廃し、「メートル法」一本に統一することを国として決断した日です。

しかし、決断から実現までの道のりは想像以上に長いものでした。尺貫法は職人や商人の日常に深く根づいており、「仕事ができなくなる」という切実な声を背景に反対運動は激しさを増し、施行は無期延期という異例の事態に追い込まれます。結局、メートル法への完全移行が果たされたのは1952年(昭和27年)、「度量衡法」が廃止されて新たな「計量法」が施行されたときのことでした。公布からじつに31年、2世代にまたがる長い移行期間を経て、ようやく日本の単位は一本化されたのです。

メートル法が生まれたのは18世紀末のフランス革命後です。当時のヨーロッパでは地域ごとに単位がバラバラで、商取引や科学研究に深刻な支障をきたしていました。フランスはこの混乱を打破するため、「世界共通で使える単位体系」の確立に着手し、地球の北極点から赤道までの距離の1000万分の1を「1メートル」と定義しました。

長さの標準を物体で具現化するため、1879年(明治12年)には白金とイリジウムの合金からなる「メートル原器」がフランスで作製されました。各国がこの原器のコピーを持ち寄り、国際的な単位統一が進んでいきます。ところが精密測定技術の発達により、原器が本来の長さより1万分の1mm短くなっていることが判明。物体では「誰もが再現できる絶対的な基準」にはなり得ないという根本的な限界が明らかになりました。現在の1メートルは光速を基準に定義され、「光が真空中を2億9979万2458分の1秒で進む距離」とされています。自然定数が世界共通の物差しになったのです。

関連記念日として5月20日は「世界計量記念日」、11月1日は「計量記念日」です。単位という地味なテーマの背後に、国際協調と科学の長い歩みが刻まれています。