家具の町東川町・椅子の日 (記念日 4月14日)

家具の町東川町・椅子の日

北海道東川町の新生児には、誕生した年に町内の職人が手作りした木製の椅子が贈られます。2006年(平成18年)に始まった「君の椅子」事業で、毎年デザインが選定され、町内の工房で一脚一脚製作されています。デザインは毎年異なり、生まれた年を示す刻印が入るため、同じ椅子は二度と作られません。子どもが成長してからも手元に残り続ける、その子だけの一脚です。単なる贈り物にとどまらず、町が子どもの誕生を祝い、成長を見守るという意思表示として、この事業は東川町の文化の象徴となっています。

東川町は北海道のほぼ中央、大雪山国立公園を擁する上川郡に位置します。町の東部は広大な山岳地帯と森林地域が広がり、その豊富な木材資源を背景に木工業が根付いてきました。全国的に高い評価を受ける「旭川家具」の約30%を生産しており、多くの家具職人が集い、芸術性の高い作品を作り続けています。旭川家具は機能性とデザイン性を両立した北海道産木材の家具として知られ、国内外の展示会でも評価を受けてきました。

4月14日という日付は「よい(4)いす(14)」の語呂合わせです。家具や椅子に感謝し、その文化を次世代へ継承することを目的として東川町が制定し、2021年(令和3年)に一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録されました。

東川町が大切にしているのは「東川スタイル」と呼ばれる暮らしの文化です。職人の技術、自然との共生、新生児への椅子の贈り物という習慣が組み合わさった、この町独自の生活様式を指します。椅子の日は、そうした暮らし方を手がかりに、新しいライフスタイルや未来の社会のあり方を考えるきっかけとして位置づけられています。