ヘリコプターの日 (記念日 4月15日)

ヘリコプターの日

15世紀のイタリア。レオナルド・ダ・ヴィンチは「モナ・リザ」を描く傍ら、回転する螺旋状の翼で空を飛ぶ機械のスケッチを残していました。エンジンも存在しない時代に、彼はその原理を紙の上に記していたのです。4月15日はダ・ヴィンチの誕生日(1452年)にあたり、その着想を顕彰するために全日本航空事業連合会が1986年(昭和61年)に「ヘリコプターの日」として制定しました。

ダ・ヴィンチが描いたのは「エアスクリュー」と呼ばれる図案で、螺旋形の翼が回転することで空気を押しつけ、上昇するという発想でした。ただし当時の材料は木材や布が中心で、飛行に耐えられる軽量かつ堅牢な機体を作ることは不可能でした。スケッチはあくまで思考実験の産物であり、試作機が製作されたわけでも、実験が行われたわけでもありません。それでも「回転する翼で垂直に浮き上がる」というアイデアを最初に文書として記した点で、彼の図案はヘリコプターの原型とみなされています。

実際に人を乗せてローターで地上を離れることに成功したのは20世紀に入ってからです。1939年、ロシア系アメリカ人の航空工学者イゴール・シコルスキーが実用的なヘリコプターの初飛行に成功し、現代的な機体の礎を築きました。ダ・ヴィンチの着想から約450年後のことでした。

ヘリコプターは固定翼機と異なり、垂直離着陸や空中停止(ホバリング)が可能です。この特性が、滑走路のない場所での運用を可能にし、山岳救助・海難救助・ドクターヘリによる緊急医療搬送・消防・報道取材・送電線点検など、飛行機では対応できない用途で広く活用されています。なお、エンジンが停止した場合でも「オートローテーション」という技術によりローターを自転させながら緩やかに降下できるため、即座に墜落するわけではありません。

全日本航空事業連合会はこの日をヘリコプターの社会的役割を広く知らしめる機会として位置づけています。ダ・ヴィンチが紙に描いた螺旋の翼が、現代の救助現場や医療の最前線で現実の形となって飛んでいると考えると、500年以上にわたる技術の連続性が感じられます。