日本巡礼文化の日 (記念日 4月15日)

日本巡礼文化の日

718年(養老2年)、大和国長谷寺の徳道上人が臨死体験のなかで閻魔大王から告げられたとされる霊告——それが「西国三十三所巡礼」の草創とされる起源です。上人は三十三か所の観音霊場を巡って衆生を救うよう命じられ、宝印を授かったといいます。しかしその教えが広く根づくまでにはさらに約270年を要し、花山法皇が970年代に熊野の神託を受けて巡礼を再興したことで、現在へとつながる霊場の形が整いました。近畿を中心に2府8県にまたがる33の観音霊場を結ぶこの巡礼路は、日本最古の巡礼路として今に息づいています。

4月15日は「日本巡礼文化の日」です。「よ(4)い(1)ご(5)えん(縁)」と読む語呂合わせに由来し、2017年(平成29年)に一般社団法人・日本記念日協会が認定・登録しました。制定したのは、滋賀県大津市に本拠を置く「西国三十三所札所会」。2018年(平成30年)に草創1300年という大きな節目を迎えるにあたり、日本の巡礼文化への関心を広く高めることを目的に設けられました。

記念日には、石山寺の鷲尾遍隆座主が直筆で「観音力」と揮毫した「特別散華」が、33寺院それぞれで授与されます。合計33,000枚という数は、巡礼地の数と符合した奉納の形です。散華とは本来、仏を供養するために花びらを散らす行為に由来し、霊場巡りの折に授与される散華を集めること自体が、巡礼者にとって一つの目的ともなっています。西国三十三所の場合、一番札所の青岸渡寺(和歌山県那智勝浦町)から三十三番の華厳寺(岐阜県揖斐川町)まで総距離は約1,000キロメートルに及び、車や公共交通機関を使いながら何度かに分けて巡る「区切り打ち」が現代では一般的です。完走に数年をかける巡礼者も少なくなく、2019年には「1300年つづく日本の終活の旅」として日本遺産にも認定されています。