養育費の日 (記念日 4月19日)

養育費の日

離婚した父親から養育費を受け取っている母子世帯は、全体の28.1%に過ぎません。令和3年度の全国ひとり親世帯等調査が明らかにしたこの数字は、日本の養育費問題の深刻さを端的に示しています。3月2日は「養育費の日」。この記念日が制定されたのには、制度の転換点となった一つの法改正が関係しています。

2004年(平成16年)3月2日、民事執行法が改正されました。それ以前は、養育費の支払いが滞るたびに、受け取る側が裁判所に対して強制執行の申し立てを行い、その都度給与などの差し押さえ手続きをしなければなりませんでした。支払う側が月々の支払いを怠るたびに申し立てが必要となるため、受け取る側の負担は相当なものでした。改正後は、一度の手続きで将来にわたる差し押さえが継続できるようになり、受け取る側の手続き的な負担が大幅に軽減されました。

「養育費の日」を制定したのは、母子家庭など一人親家庭を支援するNPO法人「Wink」です。養育費とは、子どもが社会的に自立するまでに必要とされる費用の総称で、生活費・教育費・医療費などを含みます。民法上、親は離婚後も子どもに対して扶養義務を負うことから、養育費は他の一般的な債権より保護される形となっています。

それでも不払いの実態は深刻です。同調査では、養育費の取り決め自体をしていない母子世帯が半数以上を占め、取り決めをしても受け取れなくなるケースも少なくありません。ひとり親世帯の貧困率は44.5%と、他の世帯類型と比べて突出して高い水準にあります。養育費の平均受取月額は約5万円で、これが安定して支払われるかどうかは子どもの生活水準に直結します。

2020年には民事執行法がさらに改正され、財産開示手続きの実効性が強化されました。支払い義務者が財産を隠した場合の罰則が厳しくなり、不払いに対する抑止力が高まっています。また自治体レベルでは養育費の立替払い制度を導入する動きもあり、制度面での整備は少しずつ進んでいます。

法改正から20年以上が経過した現在も、約72%の母子世帯が養育費を受け取れていない状況は大きく変わっていません。「養育費の日」は、子どもの権利として養育費が確実に届く社会の実現を問い続ける日です。