歩道橋の日 (記念日 4月25日)

歩道橋の日

1970年(昭和45年)、日本では年間1万6000人以上が交通事故で命を落としていました。当時の世論はこの状況を「交通戦争」と呼び、その対策の一つとして全国で急ピッチに整備が進んだのが横断歩道橋、いわゆる歩道橋です。

4月25日は「歩道橋の日」です。1963年(昭和38年)のこの日、大阪駅前に日本初の横断歩道橋が完成しました。同じ1963年の9月10日には、東京で初めての横断歩道橋が五反田駅前に設置されています。高度経済成長期にマイカーの普及が急速に進む中、自動車と歩行者を物理的に分離する構造物として、歩道橋は都市部を中心に次々と建設されていきました。

実際に日本で最初の横断歩道橋が設置されたのは1959年(昭和34年)6月のことで、愛知県西春日井郡西枇杷島町(現・清須市)の国道22号上でした。当時、学校へ通う子どもたちが国道を横断しなければならない状況にあり、ほぼ毎日のように交通事故が発生していたといいます。この「学童専用陸橋」が、その後日本全国に広がる歩道橋の原点となりました。

歩道橋の建設ラッシュは高度成長期に頂点を迎え、1970年代初頭には全国に約1万2000橋が設置されるまでになりました。歩車分離の徹底は交通死亡事故の減少に一定の効果をあげましたが、一方で新たな問題も浮き彫りになっていきます。階段を上り下りしなければならない構造は、高齢者や車椅子使用者、ベビーカーを押す保護者にとって大きな負担です。自動車の流れを優先するあまり、歩行者の利便性が後回しにされているという批判が高まっていきました。

少子高齢化が進む現代においては、通学路の変更や学校統廃合によって利用者が激減した歩道橋も少なくありません。老朽化した歩道橋を架け替えずに撤去する自治体が増え、2020年度末時点での全国の歩道橋の数は約1万1622橋となっています。高度成長期に整備された施設が、社会の変化とともにその役割を問い直されています。