国会図書館開館記念日 (記念日 4月27日)

国会図書館開館記念日

1897年(明治30年)3月27日、「帝国図書館官制」が公布された。これにより、1872年(明治5年)に「書籍館」(しょじゃくかん)として産声を上げ、後に「東京図書館」と呼ばれていた施設が「帝国図書館」へと改称され、欧米の国会図書館に倣って整備・拡充を図ることとなった。上野公園の丘の上に1906年(明治39年)竣工したルネサンス様式の堂々たる建物は「東洋一の図書館建築」とも称され、「上野図書館」の愛称で長く人々に親しまれてきた。近代日本が欧米列強に肩を並べようとしていた時代、国家の「知」を一手に担う施設としての期待を背負いながら、明治・大正・昭和を通じて日本の知識人たちが集う殿堂として機能し続けた。

この図書館の閲覧室には、近代日本を代表する無数の文豪や学者たちが足を運んだ。森鷗外、夏目漱石、芥川龍之介ら明治・大正の文学者から歴史家・思想家に至るまで、上野図書館に通った経験をもつ人物は数知れない。薄暗い書庫に積み重なった書物との静かな対話の中から数々の名作や学術的業績が生まれ、この場所は近代日本文化の礎を築く空間として百年を超える歴史に深く刻まれてきた。

統合後も蔵書は受け継がれ、現在の国立国会図書館の所蔵点数は4500万点以上に達する。

支部上野図書館は2000年(平成12年)、国立の児童書ナショナル・センターとして生まれ変わり「国際子ども図書館」が開館した。国内外の児童書および関連文献の収集・保存・提供を専門とし、児童書関連の図書館サービスの拠点として現在も重要な役割を果たしている。1906年建設の旧帝国図書館の庁舎をそのまま活用しており、明治の重厚な建築美の中で子どもたちと本とがつながる場であり続けている。近代日本の知識人が書物と向き合った同じ建物の中で、今日も無数の物語が新しい世代の手へと渡されている。帝国図書館から数えれば百年を超える歴史が、本を通じて静かに継承されている。