労働安全衛生世界デー (記念日 4月28日)
世界では毎年約300万人が、仕事に起因する事故や疾病によって命を落としています。国際労働機関(ILO)の推計によれば、そのうち約260万人が職業性疾病、約33万人が業務上の災害による死亡であり、アジア太平洋地域がその63%を占めています。農業・建設業・林業・漁業・製造業の5業種だけで、年間20万件以上の災害死が発生しているとされます。
「労働安全衛生世界デー」は、こうした労働災害の犠牲者を追悼し、職場における安全と健康への関心を高めるために設けられた国際的な記念日です。毎年4月28日に世界各地で記念行事が行われます。
この日の起源は1914年(大正3年)にさかのぼります。カナダでこの日に「包括的労働者補償法」が成立したことを記念し、1984年(昭和59年)にカナダ地方公務員組合(CUPE)が4月28日を追悼の日として定めました。その後1991年にカナダ議会が正式に国の追悼日の一つと認定し、1996年には国際労働組合総連合(ITUC)が国際的な記念日として採択しました。
2002年には国際労働機関(ILO)が国連の国際デーの一つとして正式に採択しました。2003年には現在の名称「労働安全衛生世界デー(World Day for Safety and Health at Work)」に改められ、職場における安全・健康文化の促進に向けた啓発活動の場として位置づけられています。ILOは毎年テーマを設定し、各国政府・労使団体・企業と連携しながら啓発キャンペーンを展開しています。
日本においても労働災害は継続的な課題となっています。厚生労働省の統計では、業務上の死亡者数は近年800人前後で推移しており、転倒・墜落・交通事故などが主な原因として挙げられます。高齢化の進行とともに労働者の年齢構成が変化するなか、作業環境の見直しや安全教育の充実が一層求められています。ILOは2024年から2030年にかけての「労働安全衛生に関する世界戦略」を策定し、各国のガバナンス強化とデータに基づく政策立案を促しています。