糸魚川・ヒスイの日 (記念日 5月4日)
宝石の中で最も割れにくい鉱物が、日本では7000年前から使われていました。新潟県糸魚川市はヒスイ(翡翠)の日本唯一の産出地であり、同市の田海にある大角地遺跡では世界最古のヒスイ利用とされる敲石が発見されています。メソアメリカのオルメカ文化によるヒスイ利用が約3000年前であることを考えると、糸魚川のヒスイ文化がいかに古いかがわかります。
5月4日の「糸魚川・ヒスイの日」は、糸魚川市に事務局を置く市民団体「NPOまちづくりサポーターズ」が制定し、2014年(平成26年)に日本記念日協会により認定・登録されました。日付はヒスイの「翠(みどり)」から連想し、「みどりの日」である5月4日が選ばれています。目的はヒスイの魅力を広く発信し、まちおこしの機運を高めることです。
縄文時代に生まれた糸魚川のヒスイ文化は北は利尻島、南は種子島にまで広がり、日本列島全体に流通していました。
ヒスイには他の宝石にはない際立った特性があります。硬度が最も高い鉱物はダイヤモンドですが、特定の角度からの衝撃で割れやすい弱点があります。一方、ヒスイは微細な結晶が複雑に絡み合った集合体であるため、衝撃に弱い方向が存在せず、全ての鉱物の中で最も高い靭性(割れにくさ)を誇ります。この性質が、古代の人々が石器や装身具としてヒスイを重用した理由の一つとも考えられています。
2016年(平成28年)には日本鉱物科学会により国石として認定され、糸魚川産ヒスイの地位はさらに確固たるものになりました。現在も糸魚川市では、ヒスイを含む豊かな自然や石探しツアーを軸にした「石のまち」プロジェクトを2019年(令和元年)から展開しており、地域の独自資源を活かした観光・文化発信が続いています。なお、市名にある「糸魚川」という川は実在せず、地名としてのみ存在する点も糸魚川市の知られざる一面です。