世界赤十字デー(赤十字平和デー) (記念日 5月8日)
1859年6月24日、イタリア北部のソルフェリーノ周辺では、フランス・サルデーニャ連合軍とオーストリア軍が激突し、一日で約4万人もの死傷者を出す凄惨な戦闘が繰り広げられました。その場に居合わせたスイス人実業家アンリ・デュナンは、戦場に放置されたまま苦しむ負傷兵たちの姿に衝撃を受け、近隣の住民を組織して敵味方を問わず救護活動を行いました。デュナンは1828年5月8日にスイスのジュネーブで生まれ、プロテスタントのカルヴァン派の厳格な家庭環境のなかで育ちました。ソルフェリーノでの惨状を目撃した翌1862年、その経験を記した著書『ソルフェリーノの思い出』を発表し、国際的な救護組織の必要性を広く訴えます。これが大きな反響を呼び、1863年に「国際負傷軍人救護常置委員会」(現:赤十字国際委員会)が発足しました。
1864年には、戦時における傷病兵の保護を定めたジュネーブ条約(赤十字条約)が締結され、国際赤十字が正式に誕生しました。赤十字のシンボルマークは、デュナンの母国スイスの国旗——白地に赤い十字——の配色を逆転させたものとされています。日本はその22年後の1886年(明治19年)11月15日にジュネーブ条約に加入しており、それ以前は同日が日本独自の「赤十字デー」として位置づけられていました。
「世界赤十字デー」は1948年(昭和23年)にストックホルムで開催された第20回赤十字社連盟理事会において制定され、5月8日という日付はデュナンの誕生日に由来します。デュナンは1901年、赤十字創設の功績により第1回ノーベル平和賞を受賞しています。5月1日は「日本赤十字社創立記念日」として別途制定されています。
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