ウィキペディアの日 (記念日 1月15日)

ウィキペディアの日

公開からわずか2週間で、2年分の蓄積を超えてしまった百科事典があります。2001年1月15日に英語版が初公開されたウィキペディアは、誰でも自由に編集できる「ウィキ(wiki)」の仕組みを採用したことで、それまでの常識を覆すスピードで成長しました。専門家による厳密な査読を経て記事を公開する前身サービス「ヌーペディア」が2年かけて積み上げたコンテンツを、ウィキペディアはたった2週間で追い越したのです。

ウィキペディアを生み出したのは、アメリカ人実業家のジミー・ウェールズと、当時ヌーペディアの編集長を務めていたラリー・サンガーです。査読制度の重さゆえに成長が遅いヌーペディアに限界を感じたサンガーが、ウィキ形式の採用をウェールズに提案したことが出発点でした。この提案が百科事典の歴史を根底から変えることになります。

「ウィキペディア(Wikipedia)」という名称は、ハワイ語で「速い」を意味する「wiki」と、ギリシャ語由来の「encyclopedia(百科事典)」を組み合わせた造語です。誰でも編集に参加できる開放性と、情報の網羅性を目指す百科事典の理念が、この名前に凝縮されています。現在は291言語版が展開され、英語版だけで680万件を超える記事が収録されています。

運営主体はウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)で、広告を排した非営利モデルを貫いています。財団の運営は世界中の利用者からの寄付によって支えられており、これもウィキペディアのユニークな特徴の一つです。日本語版は2001年5月に開設され、現在は140万件以上の記事を擁する世界有数の言語版に成長しています。

「人類の知識を無料で世界中に届ける」というウェールズの理念は、今も変わらずウィキペディアの根幹にあります。1月15日は、その壮大な実験が静かに幕を開けた日です。