恵比寿映像祭2026 第3回コミッションの4名発表
ベストカレンダー編集部
2026年2月13日 16:19
第3回ファイナリスト発表
開催日:2月11日
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恵比寿映像祭2026が示す次世代の映像表現──第3回コミッション・プロジェクトのファイナリスト発表
国際フェスティヴァル「恵比寿映像祭2026」は、東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、日本経済新聞社の主催、エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社の事務局運営のもと、2026年2月6日から2月23日までの期間、映像とアートの現在を横断的に紹介するプログラムとして開催されています。
この節では、フェスティヴァルの会期や運営主体、ならびに同祭で継続的に実施されている「コミッション・プロジェクト」の最新動向として発表された第3回ファイナリストの情報を整理します。プレスリリースは2026年2月13日16時00分付で公開され、シンポジウム「映像表現の現在地とこれから—第3回コミッション・プロジェクトに向けて」が2026年2月11日に実施されたうえで、審査を経てファイナリストが選定されました。
開催概要と会場スケジュールの詳細
恵比寿映像祭2026の総合会期は2026年2月6日から2026年3月22日までとされていますが、注記として「3F展示室を除く〈恵比寿映像祭2026〉は2月23日まで」と明示されています。つまり、会場の利用形態に応じて会期が分かれています。
開館時間は、10時から20時(2月22日まで)と、10時から18時(2月23日以降。ただし木曜と金曜は20時まで開館)に設定されており、入館は閉館の30分前まで受け付けられます。会場は東京都写真美術館3階展示室で、観覧は無料です。
関連サイトとして公式ページが案内されており、詳細情報は下記のリンク先で確認できます。
- 関連リンク: https://www.yebizo.com
コミッション・プロジェクトの意義と選考サイクル
「コミッション・プロジェクト」は2023年から継続して行われている取り組みで、国内を拠点に活動する新進アーティストに映像作品の制作を委嘱することを目的としています。プロジェクトの根本的な狙いは、恵比寿映像祭という場を通じて新しい恵比寿映像祭のあり方を提示し、国際的な発信および文化価値の醸成を推進する点にあります。
プロジェクトは3年サイクルで実施され、候補者の選定からファイナリストの決定、新作の制作・展示、会期中の審査会による特別賞の決定、そして特別賞受賞者への翌年の特別展示機会の提供という流れで構成されています。
候補者選出と選考基準
候補者は東京都写真美術館の学芸員による調査・研究と、恵比寿映像祭の既存ネットワークから抽出されます。選出事務局は恵比寿映像祭2026審査運営事務局としてエイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社が務めています。
選出にあたっての条件は次の通りです。まず、東京都写真美術館および恵比寿映像祭のネットワークを拡張できるアーティストであること。次に、新しい技術や表現方法だけでなく、各ライフステージにおける多様な挑戦を実現できること。そして現在日本に居住して活動しているアーティストであることが求められます。
- 審査基準のポイント
- 独創性、企画・内容・技法の総合的優秀性、展示実現の計画性、映像表現の概念拡張、海外発信可能な固有性と接続性
第3回ファイナリスト4名の顔ぶれと選考経緯
2026年2月11日のシンポジウムにおいて、5名の審査委員による審査を経て最終的に4名のファイナリストが選出されました。候補者は合計8名で、いずれの作品も高いテーマ性と実験性を有していたため、選考は活発な議論と慎重な比較検討を要しました。
選定された4名は今後それぞれ新作映像作品を制作し、完成作品は恵比寿映像祭2027で発表されます。会期中に実施される審査会で特別賞が決定され、その受賞者には恵比寿映像祭2028での特別展示が提供されます。
審査コメント
審査委員からは、テーマに対してメディアの拡張性をもって取り組み、多様な映像表現に挑む作家が選出されたという総括が示されました。4名はそれぞれ異なる方法論と主題性を持っており、映像表現の幅を広げる可能性が評価されました。
具体的には、個人の記憶と社会問題を交差させ周縁化された人々の生活史を描く作家、綿密な現地調査を基に歴史的・社会的テーマを扱う作家、文学や言葉をモチーフにアニメーションを通じて表現する作家、産業社会と自然環境との関係をフィールドワークから問う作家が選ばれました。
ファイナリストのプロフィール詳細
以下に、ファイナリスト4名の経歴と主な活動実績をまとめます。各作家の作風や活動領域は幅広く、国際的な上映や展覧会歴も含まれます。
- 石原海(いしはら・うみ)
ロンドンと北九州を拠点に活動する映画監督/アーティスト。個人的記憶と社会問題を交差させ、周縁化された人々の生活史を描く映像制作を行い、プロの役者ではない生活者を起用することが特徴です。
過去の上映・展示は東京都写真美術館、国立国際美術館、福岡市美術館、ポンピドゥー、ICAロンドン、BFIサウスバンク、ルイ・ヴィトン財団美術館、ロッテルダム国際映画祭など多数。受賞にBloomberg New Contemporaries(2019)、資生堂アートエッグ(2021)、GQグローバル・クリエイティブ・アワード(2024)などがあり、国立国際美術館・福岡市美術館のパブリックコレクションへ収蔵されています。
- 岩根愛(いわね・あい)
東京都出身。カリフォルニア州のオフグリッド教育を背景に、1996年から写真家として活動。無形文化や自然伝承をテーマに写真・映像を制作しています。
著書に写真集『KIPUKA』(2018、青幻舎)や『キプカへの旅』(2019、太田出版)があり、受賞に第44回伊奈信男賞、第37回写真の町東川賞新人作家賞、第3回プリピクテジャパンアワードなど。アルル国際写真祭2024、ハワイトリエンナーレ2022など国際的な発表歴もあります。
- 折笠良(おりかさ・りょう)
1986年生まれ。茨城大学教育学部、イメージフォーラム映像研究所、東京藝術大学大学院映像研究科で学ぶ。文学的モチーフを映像とアニメーションで表現する作家です。
石原吉郎の詩を元にした『水準原点』(2015)で毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞。『みじめな奇蹟』(2023)では国際共同製作を行い、オタワ国際アニメーション映画祭短編部門グランプリを受賞するなど評価を得ています。2025年には詩を原作とする新作『落書』を完成しています。
- 佐藤浩一(さとう・こういち)
1990年東京都生まれ。産業・消費社会と自然環境の関係をリサーチおよびフィールドワークを通じて問い、映像・音・香りを組み合わせたインスタレーション作品を制作しています。
近年は水環境や地下水の汚染に関する継続的なリサーチを行っており、出品歴には「L’Écologie des choses」(パリ日本文化会館、2025)、「水の博物館」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、2025)、「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」(金沢21世紀美術館、2024)などがあります。
審査委員の構成
第3回コミッション・プロジェクトの審査委員は次の5名です。国際的視点と学術的・実践的な経験を兼ね備えたメンバー構成となっています。
- 沖啓介(メディア・アーティスト)
- 斉藤綾子(映画研究者、明治学院大学教授)
- レオナルド・バルトロメウス(YCAM、Gudskul Ekosistemキュレーター)
- メー・アーダードン・インカワニット(映画・メディア研究者、キュレーター、ウェストミンスター大学教授)
- 田坂博子(東京都写真美術館学芸員、恵比寿映像祭キュレーター)
現在の展示と過去受賞者の特別展示、プロジェクトの展開
恵比寿映像祭2026では、第2回コミッション・プロジェクト特別賞受賞者である小森はるかによる新作展示が行われています。本展示は恵比寿映像祭2026の総合テーマ「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」と連動して構成され、ドキュメンタリーの視線を継承しつつ見過ごされがちな風景や営みに丁寧に向き合う作品群が並びます。
展示には過去の活動を振り返る作品群に加え、新作2作品が含まれており、具体的な作品例として以下が紹介されています。
- 小森はるか《おあがりんちょ》
- 2026年制作、56分53秒(参考図版あり)
- 小森はるか《いつも茶畑で歌っていた》
- 2026年制作、37分59秒(参考図版あり)
これらの展示は恵比寿映像祭2026の3F展示室で公開されており、観覧無料である点も特記されます。
コミッション・プロジェクトの実務的手順
プロジェクト実施のサイクルは候補者の選出、ファイナリスト(4名)決定、ファイナリストによる新作制作、恵比寿映像祭での新作展示、会期中の審査会による特別賞の決定、特別賞受賞者による翌年の特別展示、という流れで運営されます。これにより、ファイナリストの制作期間と発表機会が十分に確保される仕組みが整えられています。
審査は国内外の有識者が担当し、映像表現の動向を踏まえた評価が行われます。特に作品の展示実現可能性や国際的に発信可能な性質が重要な評価軸です。
要点の整理(本記事のまとめ)
以下に、本記事で触れた主要事項を表形式で整理します。フェスティヴァルの基本情報、コミッション・プロジェクトのサイクル、ファイナリストの顔ぶれと審査委員の構成、ならびに現在開催中の特別展示について明示しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレスリリース発行日 | 2026年2月13日 16時00分 |
| 主催 | 東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、日本経済新聞社 |
| 事務局 | エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社 |
| 恵比寿映像祭2026会期 | 2026年2月6日〜2026年3月22日(※3F展示室を除くプログラムは2月23日まで) |
| 開館時間 | 10:00–20:00(2月22日まで)/10:00–18:00(2月23日以降、木金は20:00まで) |
| 会場 | 東京都写真美術館 3F展示室 |
| 観覧料 | 入場無料 |
| 第3回コミッション・プロジェクト ファイナリスト | 石原海、岩根愛、折笠良、佐藤浩一(敬称略) |
| 審査委員 | 沖啓介、斉藤綾子、レオナルド・バルトロメウス、メー・アーダードン・インカワニット、田坂博子(敬称略) |
| ファイナリストの今後のスケジュール | 各作家は新作を制作し、完成作品は恵比寿映像祭2027で発表。会期中に審査会で特別賞を決定、特別賞は恵比寿映像祭2028での特別展示機会を付与。 |
| 現在の特別展示 | 第2回特別賞受賞者 小森はるかによる新作展示(作品例:《おあがりんちょ》56分53秒、《いつも茶畑で歌っていた》37分59秒) |
| 関連リンク | https://www.yebizo.com |
以上が、恵比寿映像祭2026における第3回コミッション・プロジェクトのファイナリスト発表に関する要点の整理です。各ファイナリストは今後それぞれ新作制作に着手し、次回フェスティヴァルでの発表を予定しています。審査会や特別展示の進行により、フェスティヴァルが描く映像表現の可能性がさらに広がることが期待されます。