カスタマークラウド、源内で試用へ AI生産工場を発表
ベストカレンダー編集部
2026年3月8日 09:44
CC AI Factory発表
開催日:3月8日
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政府の共用基盤「源内(GENNAI)」で試用される国内LLM――カスタマークラウドが示す「AI生産工場」の構想
2026年3月8日付のリリースにより、カスタマークラウド株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:木下寛士)は、企業が自社専用AIを保有し、AIサービスや業務アプリケーションを継続的に生み出す新しい産業モデルとしてCC AI Factory(AI生産工場)を発表しました。本発表は、同社が日本政府のデジタル庁が推進する「ガバメントAI」における政府共用生成AI基盤『源内(GENNAI)』で試用される国内大規模言語モデル(LLM)提供企業として選定されたことを受けた取り組みの一環です。
同社はBytePlusの公式グローバルパートナーでもあり、政府向けモデル開発を進めると同時に、企業向けの自社開発スーパーAI『CC LLM』の導入サービスを開始すると発表しています。今回の発表は単なる製品リリースにとどまらず、企業がAIを中核に据えて継続的にプロダクトを生成する産業構造への転換を目指す戦略的提案です。
政府共用生成AI基盤『源内(GENNAI)』と公募選定の経緯
デジタル庁が構築した『源内(GENNAI)』は、政府職員が安全に生成AIを活用できる共用環境として整備が進められている基盤です。行政業務の効率化や政策立案の高度化を目的に、政府は「ガバメントAI」を推進しており、2025年には米国OpenAIの大規模言語モデルが同基盤に導入され、検証が始まっています。
今回の国内LLMの公募は、日本語表現や行政文書特有の言い回しに適合するか、さらには安全性・実用性といった観点から国内開発モデルの有用性を評価することを目的として実施されました。カスタマークラウドが開発するモデルは『CC Gov-LLM』として選定され、行政実務での適用に向けた評価・検証を進めることになります。
- 選定モデル(公募結果)
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- 株式会社NTTデータ:tsuzumi 2
- カスタマークラウド株式会社:CC Gov-LLM
- KDDI株式会社・株式会社ELYZA共同応募体:Llama-3.1-ELYZA-JP-70B
- ソフトバンク株式会社:Sarashina2 mini
- 日本電気株式会社(NEC):cotomi v3
- 富士通株式会社:Takane 32B
- 株式会社Preferred Networks:PLaMo 2.0 Prime
選定された国内LLMは、2026年度に予定されている『源内』の各府省庁への展開に合わせて試験導入され、対話型AIサービスや行政業務支援アプリケーションを通じて安全性や性能が検証される計画です。
CC AI Factoryの中身――自社AI基盤からAGI駆動開発まで
CC AI Factory(AI生産工場)は、企業が自社専用AIを中核とした開発基盤を構築し、AIプロダクトを継続的に生産することを目的とした新しい産業モデルです。本モデルは単なるAI導入支援ではなく、企業自身がAIの所有者となり、AIを中心としたプロダクト生成の体制を持つことを前提に設計されています。
CC AI Factoryは構成要素が明確に定義されており、各要素は相互に連携して機能します。これにより、外部SaaSに依存する従来型の活用からの脱却を図ります。
- 自社AI基盤『CC LLM』
企業や組織が自社専用のAI基盤を保有し、社内データや業務知識を統合したスーパーAIを構築することを想定しています。ローカルLLMとして、業務ドメインに特化した最適化や安全性設計が可能です。
『CC LLM』は企業専用AI基盤としての導入サービスを提供し、運用・継続的改善を支援します。
- AIプロダクト生産工場(AI Factory)
自社AIを中心に、業務アプリケーションやAIサービスを継続的に開発・運用する体制を構築します。プロダクトの企画からデプロイ、改善のサイクルを高速化する仕組みの整備を目的としています。
継続的なプロダクト生成を支えるための組織設計や開発パイプライン、品質管理の仕組みも含まれます。
- AGI駆動開発
AIが主体となってソフトウェア開発や業務自動化を進める『AGI駆動開発』の活用により、AIプロダクトの継続的生成を可能にします。これはAIが要件定義・実装・テスト・運用支援までのプロセスを主体的に支援・実行するアプローチです。
同社はAGI技術を用いた開発プロセスの導入により、プロダクトサイクルの効率化とスケール性の向上を目標にしています。
SaaSを超える産業モデルとしての位置付け
これまでのソフトウェア産業はクラウド型SaaSを中心に発展してきましたが、CC AI Factoryは企業自らがAIを保有し、AIを用いて自社プロダクトを継続的に生産する点で、SaaS中心のモデルとは一線を画します。カスタマークラウドはこのモデルを「SaaSの次に来るAI産業モデル」として位置付けています。
具体的には、データの主権保持、業務知識の内部化、継続的なカスタマイズ性、そしてAI自体が開発主体となる点が主な特徴です。これにより企業は外部依存を減らし、自社の競争力を内製化することが可能になります。
検証・展開計画と渋谷発のエコシステム構想
カスタマークラウドは今後、デジタル庁との連携のもとで技術調整と検証プロセスを進め、行政向けの導入検証と企業向けサービスの拡大を両輪で進行させる計画です。特に日本語および行政文書に対する適合性や安全性の確保が重要な課題として位置付けられています。
また、同社は渋谷を拠点にした産業エコシステム構想『第2のビットバレー / Bit Valley 2.0』を推進しており、AI人材・企業・技術・コミュニティを結びつけることで日本のAI産業を世界市場につなげることを目指しています。
- 今後の主要領域
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- 政府向けAI基盤:CC Gov-LLM(『源内』での試用選定モデル)
- 企業専用AI基盤:CC LLM(自社専用のローカルLLM導入サービス)
- AIプロダクト生産工場:CC AI Factory(継続的なAIプロダクト生成)
さらに海外政府機関との連携、デジタルインフラや国際金融インフラに関するプロジェクト検討も進めるとされています。安全性と信頼性を重視した基盤開発が前提であり、検証結果や政府職員の利用ニーズを踏まえた段階的な展開が想定されています。
関連イベントと公開情報
カスタマークラウドはイベント「人間がAIを使う時代は、終了!? AIが主体となり開発を完結させる構造」を2026年3月10日(火)18:30〜20:30(受付18:00〜)にWeWork渋谷スクランブルスクエア(住所:東京都渋谷区渋谷2-24-12 39F)で開催すると明記しています。参加費は無料です。イベント詳細はPR TIMESの案内ページで確認できます(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000716.000099810.html)。
また、カスタマークラウドの公式情報や政府向けインフラに関する詳細は以下のページに掲載されています。資料・動画も公開されていますので、技術的な詳細や企業情報の確認に利用できます。
- AIインフラ特設ページ:https://www.customercloud.co.jp/national-infrastructure/
- ガバメントAI関連リリース:https://www.customercloud.co.jp/press/gov-llm.html
- 代表コメントや動画:YouTubeリンク(複数公開されています)
企業情報、代表コメント、そしてまとめ表
カスタマークラウドは自社のミッションを「AIを単なるツールやソフトウェアとしてではなく、企業や組織の価値創出を支える『知能設備』として社会に実装すること」と定めています。同社は自社開発スーパーAIとAIプロダクト生産工場を組み合わせ、企業が自社専用のAI基盤を持ち、業務特化型のAIサービスを継続的に開発できる体制を支援しています。
代表・木下寛士のコメントでは、日本の才能を結びつけるための器を整備し、AI生産工場やAGI技術、グローバルインフラを掛け合わせて日本のAI産業を「面」として再構築する挑戦が掲げられています。渋谷発のエコシステム構想『Bit Valley 2.0』を通じて、日本のAI産業の国際競争力向上を目指す姿勢が示されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年3月8日 07:26(プレスリリース) |
| 発表企業 | カスタマークラウド株式会社(Customer Cloud Corp.) |
| 代表 | 代表取締役社長:木下寛士 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア |
| 主な発表内容 | 自社専用AI基盤『CC LLM』導入サービス開始、AI産業モデル『CC AI Factory(AI生産工場)』発表、政府向け『CC Gov-LLM』の開発・試用選定 |
| 政府関連 | デジタル庁の『ガバメントAI』における『源内(GENNAI)』での国内LLM試用に選定(CC Gov-LLM) |
| 選定された国内LLM一覧(抜粋) | NTTデータ: tsuzumi 2 / カスタマークラウド: CC Gov-LLM / KDDI・ELYZA: Llama-3.1-ELYZA-JP-70B / ソフトバンク: Sarashina2 mini / NEC: cotomi v3 / 富士通: Takane 32B / PFN: PLaMo 2.0 Prime |
| イベント | 「人間がAIを使う時代は、終了!? AIが主体となり開発を完結させる構造」2026年3月10日 18:30〜20:30(会場:WeWork渋谷スクランブルスクエア、参加費無料) |
| 公式情報 | https://www.customercloud.co.jp/national-infrastructure/ |
本稿では、カスタマークラウドが公表したすべての主な情報を整理して紹介しました。政府向けの試験導入、企業向けの自社AI基盤サービス、そしてAIプロダクト生産を前提とした新たな産業モデルという三本柱を通じて、同社は日本におけるAI基盤の整備と産業化を段階的に進める計画を提示しています。
詳細や最新の情報は、同社の公式ページおよびリリース資料、関連の動画コンテンツをご参照ください。