JCBとAdyenが5月13日からCOFトークン提供開始、オンライン決済の安全性向上へ
ベストカレンダー編集部
2025年5月13日 11:20
COFトークン提供開始
開催日:5月13日

JCBとAdyenが提供開始した「COFトークナイゼーション」とは
株式会社ジェーシービー(以下、JCB)と、オランダに本社を置く決済プラットフォームのAdyenは、2025年5月13日にオンライン加盟店向けに「JCB COFトークン(以下、COFトークン)」の提供を開始しました。この新サービスは、クレジットカード番号のトークン化を通じて不正利用の被害を防止し、承認率の向上にも寄与することを目的としています。
COFトークンの導入は、国内外を通じてAdyenが初めての試みであり、これによりオンライン決済のセキュリティが一層強化されることが期待されています。JCBカード会員および加盟店が、より安全で安心してJCBカードを利用できる環境が整います。
不正利用の現状とCOFトークンの必要性
近年、キャッシュレス決済の普及やオンライン取引の増加に伴い、クレジットカードの不正利用が増加しています。特に、クレジットカード番号の盗用による不正利用被害は全体の90%以上を占めており、これを抑止することが重要な課題となっています。一般社団法人日本クレジット協会の統計によると、クレジットカード不正利用被害の発生状況は深刻であり、対策が急務です。
COF(Card-On-File)とは、カード会員の同意を得て加盟店が保管するカード番号や有効期限などの決済情報を指します。COFトークンは、これらの決済情報を匿名化された安全な数字(ペイメントトークン)に置き換えるサービスです。加盟店は、機密性の高いカード番号を保管せず、ペイメントトークンを利用することで、情報漏洩時のリスクを低減し、安全な決済を実現できます。
COFトークンの利便性とセキュリティ向上
COFトークンの最大の特徴は、情報漏洩のリスクを低減するだけでなく、カード会員にとっての利便性も向上させる点です。ペイメントトークンは常に最新のカード情報に紐づけられるため、カード会員が加盟店に保管する決済情報の更新が不要になります。これにより、スムーズな決済が可能となり、決済の承認率を向上させることができます。
このように、COFトークンはオンライン決済のセキュリティを強化しつつ、ユーザー体験を向上させるための重要な技術です。特にEコマース業界においては、顧客の安全性と利便性を高めるために必要不可欠な要素となっています。
各社のコメントと今後の展望
JCBの執行役員である渡辺貴氏は、「オンライン決済は日を追うごとに広がりを見せており、不正利用被害も深刻さを増している中、COFトークン化の取り組みによってデータ漏洩のリスクを低減し、お客様のカード情報を最新化することで決済体験の向上を図ることは重要です。」と述べています。
また、AdyenのChief Commercial Officerであるルーラント・プリンス氏は、「JCBと協力し、カード会員の安全性と利便性をさらに向上させることができることを大変嬉しく思います。今後も、モバイル決済を含む幅広い決済プラットフォームにおいて、トークナイゼーション技術を提供し、顧客のセキュリティと承認率のさらなる向上を図ってまいります。」とコメントしています。
JCBとAdyenの企業概要
JCBは、1961年に設立され、日本発の国際ペイメントブランドを運営しています。アジアを中心に国内外のパートナー企業との協力を通じて、JCBカードの発行を拡大し、総合決済サービス企業を目指しています。現在、国内外で1億6千万以上の会員に利用されています。
一方、Adyenは2006年に設立され、大手企業向けのフィンテックプラットフォームを提供しています。エンドツーエンドの決済機能やデータに基づく洞察を通じて、企業の目標達成を支援します。LVMHやMetaなどの著名企業にサービスを提供しており、今回のJCBとの協業関係は、Adyenの決済手段の拡大を示すものです。
まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
提供開始日 | 2025年5月13日 |
提供企業 | 株式会社ジェーシービー、Adyen |
サービス名 | JCB COFトークン |
目的 | 不正利用防止、承認率向上 |
COFトークンの特徴 | カード情報のトークン化によるセキュリティ強化 |
JCB設立年 | 1961年 |
Adyen設立年 | 2006年 |
以上のように、JCBとAdyenの協業によるCOFトークンの導入は、オンライン決済のセキュリティを大幅に向上させることが期待されています。これにより、クレジットカードの不正利用を防ぎつつ、利用者にとっての利便性も向上することが目指されています。