2025年4月開始の大阪・関西万博で約61万本の割り箸を再生した循環型デザインを展示

万博割り箸再生プロジェクト

開催期間:4月1日〜10月13日

万博割り箸再生プロジェクト
割り箸ってどうやって再利用してるの?
ChopValue Japanは使用済み割り箸を回収し、マイクロファクトリーでアップサイクル。家具や内装材など高品質な製品に生まれ変わらせています。
大阪・関西万博で何が見られるの?
カナダパビリオンで約61万本の割り箸を再生した7メートルの会議テーブルや飲食エリアのデザインが展示され、サステナブルな循環型デザインを体験できます。

使用済み割り箸を再生する革新的なプロジェクト

ChopValue Manufacturing Japan株式会社(以下、ChopValue Japan)は、使用済み割り箸のアップサイクルに特化したカナダ発の循環型製造企業です。2025年4月から開催される大阪・関西万博において、同社はカナダパビリオンにて、606,597本の使用済み割り箸をアップサイクルしたプロダクトを提供します。このプロジェクトは、サステナビリティをテーマにしたデザインを通じて、循環型経済の重要性を広く発信することを目的としています。

ChopValue Japanは、特大サイズの会議テーブルを製作し、カナダパビリオン内の「コラボレーションスペース」に設置しました。このテーブルは全長7メートルで、22名が着席可能な設計となっており、商談や会議、パーティーなど多目的に利用されています。また、同社は収納キャビネットも製作し、機能的かつ美しい空間を創出しました。

約61万本の使用済み割り箸を「再生」したプロジェクトが2025年大阪・関西万博に登場 画像 2

万博での特別な飲食エリアの設計

さらに、ChopValue Japanは、Air Canadaが展開するテイクアウト形式の飲食エリア「デスティネーション・プーティン・バイ・エア・カナダ」において、設計から製作、施工まで一貫して担当しました。このエリアでは、注文カウンター、調理スペース、受取カウンターに至るまで、壁面パネルや天板などを製作し、限られた時間の中で高品質な仕上がりを実現しています。

この飲食エリアは2025年10月13日までの万博開催期間中、多くの来場者が見込まれており、ChopValueの循環型デザインを体験できる貴重な機会となります。また、カナダパビリオンのスタッフが着用する名札も、ChopValue Japanが製作した特注品であり、細部に至るまでサステナビリティを体現しています。

約61万本の使用済み割り箸を「再生」したプロジェクトが2025年大阪・関西万博に登場 画像 3

カナダパビリオンの「再生」コンセプト

カナダパビリオンのコンセプトは「再生(Regeneration)」です。春の訪れとともに凍っていた川が溶けて流れ出す様子をイメージしています。パビリオンの外観は、カナダで見られる自然現象「水路氷結」を表現しており、川面の氷が溶けて流れることで生まれる儚い氷の造形が魅力です。外観とは対照的に、パビリオン内ではカナダの温かさや開放性、前向きな姿勢が表現されており、来館者はカナダの革新性、多様性、創造性、持続可能な社会に関する取り組みを体験できます。

ChopValue Japanが提供する循環型プロダクトは、素材に込められた温かみや革新的な技術、持続可能な未来へのビジョンを表現しており、カナダパビリオンのコンセプトと深く共鳴しています。

約61万本の使用済み割り箸を「再生」したプロジェクトが2025年大阪・関西万博に登場 画像 4

環境への配慮と持続可能な未来への取り組み

ChopValue Japanが実施したプロジェクト全体でアップサイクルされた使用済み割り箸の本数は606,597本に達し、これにより29,864キロの二酸化炭素(CO2e)の排出を抑制することができました。この取り組みは、廃棄物を価値ある資源へと転換する「クローズドループ(循環型)製造」の実例であり、持続可能なものづくりの可能性を世界に向けて発信しています。

カナダパビリオン政府代表のローリー・ピーターズ氏は、「ChopValueの取り組みは、カナダのイノベーションが実際に形となって具現化されている好例です。地域の資源を活用し、地域で製造、カナダで開発された技術を融合させることで、品質とデザイン性を兼ね備えたソリューションを提供しています」とコメントしています。

ChopValueの企業理念とグローバルな展開

ChopValueは「循環型ビジネスの仕組み」を商業フランチャイズとして世界で初めて確立した企業であり、使用済み割り箸を地域ごとに回収し、「マイクロファクトリー」で再生素材にアップサイクルする循環の仕組みを展開しています。現在、9カ国にわたり80以上のマイクロファクトリーを開発し、地域におけるインパクトを創出しています。

2016年の創業以来、「アーバンハーベスティング」と呼ばれるアプローチにより、2億本以上の割り箸を埋め立て地から救出し、地球にやさしい木材代替製品へとアップサイクルしてきました。これにより、地域密着型のビジネス運営による大きな変革の可能性を示しています。

項目 詳細
プロジェクト名 大阪・関西万博 カナダパビリオン
アップサイクルされた割り箸の本数 606,597本
二酸化炭素排出抑制量 29,864キロ(CO2e)
会議テーブルのサイズ 全長7メートル、22名着席可能
万博開催期間 2025年4月~2025年10月13日

ChopValue Japanの取り組みは、サステナブルな未来を目指す上での重要な一歩であり、地域資源の有効活用を通じて、持続可能な社会の実現に寄与しています。使用済み割り箸のアップサイクルを通じて、環境への配慮を促進し、地域の経済にも貢献するこのプロジェクトは、今後も注目されることでしょう。