2025年6月10日発表:カケハシが約140億円のシリーズD資金調達で医療DXを加速
ベストカレンダー編集部
2025年6月10日 11:50
カケハシ資金調達
開催日:6月10日
カケハシ、約140億円のシリーズDラウンドを実施
株式会社カケハシ(本社:東京都港区、代表取締役社長:中尾 豊、代表取締役CEO:中川 貴史)は、2025年6月10日、ゴールドマン・サックスをリード投資家とし、約140億円のシリーズDラウンドの契約を締結したことを発表しました。この資金調達は、第三者割当増資、既存株主による株式譲渡、ベンチャーデットおよび融資から成り立っています。
今回の資金調達により、カケハシは幅広いプレイヤーとの協働を深め、M&Aや新技術への投資を積極化し、事業推進に必要な人材への投資も行っていく方針です。これにより、組織基盤の強化やプロダクトの拡充を図り、次世代ヘルスケアを推進し、日本の医療課題解決を目指すことを目指しています。
直近の事業状況と今後の展望
カケハシは、「日本の医療体験を、しなやかに。」というミッションを掲げ、医療従事者やパートナー企業と共に事業を推進しています。2017年にスタートしたクラウド型電子薬歴・服薬指導ツール「Musubi」をはじめ、薬局向けのプロダクトを多数開発・提供し、現在ではグループ全体で日本の薬局の20%超、全国14,000店舗以上をカバーしています。
近年の薬機法改正や診療報酬改定に伴い、カケハシは“薬局の次世代化”を推進する医療プラットフォームサービスとして選ばれるようになり、患者と薬剤師の関係性の強化や服薬アドヒアランスの向上、薬局経営改善の実例も多数寄せられています。最近では、経済産業省による「医療機関におけるPHR利活用推進等に向けた実証調査事業」への採択や、医療機関・大学との共同研究など、技術研究と社会実装の両面で着実な成果を上げています。
今後の取り組み
カケハシは、薬局向けサービスの拡充に加え、患者への介入やフォローを通じて治療や薬剤の価値を最大化し、処方薬に限定されない生活者の健康増進とQOLの最大化を図るためのPHRの利活用を推進します。また、薬局、卸事業者、製薬メーカーなどとの連携を強化し、医薬品の流通最適化や供給安定化に取り組むことで、ヘルスケアの次世代化を進めていく所存です。
このような幅広い連携を実現するために、M&Aや新技術への投資を積極化し、課題解決のスピードを一層加速させる方針です。
資金調達の目的と内訳
カケハシは、組織基盤の強化やプロダクトの拡充を図るために、M&Aや新技術への投資を積極的に行います。これに伴い、開発体制の強化に向けたエンジニアの採用、営業やサービス導入支援、カスタマーサポート体制の充実を図るとともに、既存事業および新規事業において中核を担う人材の採用を進めていきます。
デジタルテクノロジーを背景に、個人、企業、国、公的機関、医療機関など多様なプレイヤーの相関を促進し、患者接点とデータを活用して患者の健康増進や再発・重症化予防に貢献する持続可能な医療プラットフォームの構築を加速させ、日本の医療課題解決に取り組んでいきます。
調達概要
本ラウンドでの資金調達の内訳は以下の通りです。
| 資金調達の種類 | 金額 |
|---|---|
| シリーズDラウンド | 約140億円 |
ゴールドマン・サックスについて
ゴールドマン・サックスは、投資銀行業務、証券業務および投資運用業務を中心に、企業、金融機関、政府機関、個人など多岐にわたるお客様に幅広い金融サービスを提供している世界有数の金融機関です。日本では1997年以来、企業や不動産、クレジットなど約600億ドルのオルタナティブ投資の実績があります。
投資家からのコメント
ゴールドマン・サックス グロース・エクイティ グローバル共同責任者のステファニー・フイ氏は、「日本の調剤薬局業界は生産性向上を目指したDX化が加速する大きな転換期を迎えている。カケハシが展開するソフトウェアプラットフォームは、薬局だけでなくより広範な医薬品業界のニーズに応え、目覚ましい成長を遂げている」とコメントしています。
また、DNX Venturesのマネージングパートナー兼日本代表の倉林陽氏は、「カケハシの挑戦は、今回の資金調達によって新たなステージを迎えた。医療のサプライチェーンの上流から下流までを支えるインフラを担うプラットフォーマーとして、日本の医療体験を変えていくことを期待している」と述べています。
カケハシの目指す未来
株式会社カケハシは、日本の医療システムの再構築を目指すヘルステックスタートアップ企業です。テクノロジーを駆使し、患者にとってより良い医療を、医療現場にとって持続可能な形で実現します。現在、薬局体験アシスタント「Musubi」のほか、複数のプロダクトを開発・提供し、グループ全体で国内の薬局の14,000店舗以上をカバーしています。
カケハシは、服薬期間中の患者フォローによる治療効果の最大化や、医薬品の市中在庫可視化・安定供給などをサポートし、薬局や医療機関をはじめとした多様なステークホルダーと共に、より良い医療を実現するプラットフォームの構築を進めています。
まとめ
今回のカケハシによるシリーズDラウンドの資金調達は、約140億円に達し、M&Aや新技術への投資を通じて日本の医療の次世代化を目指す重要なステップとなります。以下に、この記事で紹介した内容をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企業名 | 株式会社カケハシ |
| 資金調達額 | 約140億円 |
| リード投資家 | ゴールドマン・サックス |
| 主な目的 | M&A、新技術への投資、組織基盤の強化 |
| プロダクト | クラウド型電子薬歴・服薬指導ツール「Musubi」 |
| 対象店舗数 | 全国14,000店舗以上 |
カケハシは、今後も医療業界の変革に向けた取り組みを続け、持続可能な医療プラットフォームの構築を目指していくでしょう。
参考リンク: