2025年6月発表：電力業界NPS調査で東京ガスと九州電力が首位に

NTTコム オンラインが発表した電力業界のNPSベンチマーク調査2025の結果

2025年6月25日、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、電力業界を対象としたNPS（Net Promoter Score）ベンチマーク調査2025の結果を発表しました。この調査によると、東日本部門で最もNPSが高いのは東京ガスであり、西日本部門では九州電力が1位となりました。一般電気事業者のNPSは年々向上している一方で、新電力は低下傾向にあり、2025年には初めて一般電気事業者のNPSが新電力を上回る結果となりました。

調査結果の詳細

調査の結果は以下の通りです。一般電気事業者の信頼性やロイヤルティへの影響が高まる一方、新電力においては料金面の評価が低下していることが要因とされています。

1. 東日本部門の結果

東日本部門においては、以下のようなNPSのランキングが発表されました。

• 1位: 東京ガス (-33.0)
• 2位: ENEOSでんき (-41.9)
• 3位: 東京電力エナジーパートナー (-52.3)

全体のNPS平均は-52.8で、トップ企業とボトム企業との差は39.5ポイントに達しました。

2. 西日本部門の結果

西日本部門では、以下のような結果が示されました。

• 1位: 九州電力 (-41.7)
• 2位: 大阪ガス (-42.2)
• 3位: 中部電力ミライズ (-42.9)

こちらのNPS平均は-49.6であり、トップ企業とボトム企業との差は21.1ポイントでした。

ロイヤルティの要因分析

調査では、20の要因に基づき業界全体のロイヤルティの要因を分析しました。その結果、以下の要因がロイヤルティを高める要因として挙げられました。

1. 企業の信頼性/ブランドイメージ
2. サービスの信頼性/安定性
3. 契約プランの適切さ
4. コールセンターの応対の良さ

一方で、優先的に改善が期待される項目としては、「利用料金の適切さ」や「お客さまの声に耳を傾ける姿勢」が挙げられています。また、契約者の節電を促進する取り組みも今後の改善が期待される分野です。

一般電気事業者と新電力のNPSの変化

一般電気事業者と新電力のNPSの経年変化を分析した結果、一般電気事業者のNPSは年々向上しているのに対し、新電力は低下傾向にあることが確認されました。具体的には、一般電気事業者のNPSは2020年と比較してロイヤルティへの影響度が高まったことが要因として考えられます。

新電力では、利用料金の適切さに対する評価が低下し、企業の信頼性やサービスの信頼性の評価も同様に低下していることがNPSの低下に寄与しているとされています。

SDGsへの取り組みと顧客ロイヤルティ

調査では、各電力会社のSDGs（持続可能な開発目標）への取り組みについても言及されました。再生可能エネルギーの導入やCO2排出量の削減に向けた取り組みが行われている中、SDGsに関する認知状況も重要な要因となっています。

「よく知っている」と回答した人のNPSは6.6となり、SDGsに対する認知が高いほどNPSも高くなる傾向が見られました。推奨者のコメントには、環境に配慮したサービスを提供しているという意見が多く寄せられています。

調査概要と今後の展望

調査は、2025年5月8日から5月14日までの期間に実施され、東日本部門で3,667名、西日本部門で4,030名の有効回答を得ました。調査対象には、一般電気事業者や新電力が含まれています。

今後は、銀行、代理店型自動車保険、ダイレクト型自動車保険などの分野においてもNPSベンチマーク調査が予定されています。

今回の調査結果は、電力業界における顧客ロイヤルティや信頼性の動向を示す重要なデータとなります。顧客の声に耳を傾け、サービスの向上に努めることが、今後の企業の成長に繋がるでしょう。