大阪・関西万博の会場内サポート調査で92.3%が満足と回答
ベストカレンダー編集部
2025年6月30日 10:27
会場内サポート調査結果
開催期間:4月17日〜5月31日

大阪・関西万博における会場内サポートの調査結果
2025年6月30日、一般社団法人関西イノベーションセンター(MUIC Kansai)は、大阪・関西万博における「LET’S EXPO」プロジェクトの一環として、身体的不自由を抱える方を対象とした移動支援サービス「会場内サポート」の利用者に対するアンケート調査の結果を発表しました。この調査は2025年4月17日から5月31日までの期間に実施され、145名の利用者と398名のボランティアスタッフが対象となりました。
調査の目的は、身体に不自由のある方々が万博をどう感じているか、また「会場内サポート」の満足度や改善点を明らかにすることです。以下に、調査結果の概要を詳しく見ていきます。

調査結果の概要
調査結果からは、会場内サポートを利用した来場者の92.3%が「楽しかった」と回答しており、ボランティアスタッフも97.5%が「利用者は万博を楽しんでいたと思う」と評価しています。このことから、支援する側とされる側の関係を越えて、双方向のつながりが生まれていることが伺えます。
以下に、調査の具体的な結果を示します。
- 楽しかったと感じた割合: 92.3%
- ボランティアスタッフが利用者を楽しんでいたと思う割合: 97.5%
- 最も多かった行き先: 大屋根リング、フランス館、アメリカ館
- 来場のきっかけとしての会場内サポート: 81.6%
- 利用したいと回答した別の機会: 80%
- NPSスコア: +44.2
- お金を払ってでも使いたい: 69%

会場内サポートの利用理由
会場内サポートの利用者からは、以下のような理由が挙げられました。
- LET’S EXPOの取り組みに興味を持った: 62.1%
- 体力・体調に不安がある: 29.0%
- 介助してもらえる人がいない: 26.9%
これらの結果は、身体的不自由を抱える方々にとって、会場内サポートが「万博に行きたい」という思いを実際の来場という行動へ後押しする要因となっていることを示しています。

ボランティアスタッフの評価
ボランティアスタッフの75.9%は、大阪・関西万博が「身体的不自由を抱える方にも優しいつくり」であると評価しています。この評価は、身体的不自由を抱える方々にとって、万博がよりアクセスしやすい環境であることを示しています。
しかし、今後の改善点としては、以下のような意見が挙げられました。
- 混雑時の移動の安全性: 55.8%
- 会場内の案内サインのわかりやすさ: 38.9%
- 会場内の休憩スペースの数(ベンチ含む): 18.6%

LET’S EXPOプロジェクトの概要
LET’S EXPOは、万博に”簡単に行けない方”の参加を実現するユニバーサルツーリズムプロジェクトです。身体に不自由を抱える方々の課題を解決し、誰もが楽しめる万博を目指しています。具体的には、以下のようなサービスを提供しています。

会場内サポート
LET‘S EXPOのスタッフが車いすユーザーの押し手サポートを行い、身体に不自由を抱える方でも万博会場内をスムーズに巡ることができるよう支援しています。

バーチャル体験サポート
万博会場には行きたくても行けない方向けに、実際の会場映像とバーチャル万博アプリを使用して、2025年の万博会場の体験を提供しています。これにより、施設利用者の主観的幸福感の向上と認知症予防を目指します。

オンラインツアー
チャット機能を使って出演者とリアルタイムでコミュニケーションを取ることができるオンラインツアーも実施しており、自宅や介護施設から臨場感ある万博ツアーを体験できます。

まとめ
今回の調査結果からは、大阪・関西万博における会場内サポートが、身体的不自由を抱える方々にとって非常に有意義なサービスであることが明らかになりました。利用者の92.3%が「楽しかった」と回答し、ボランティアスタッフもその楽しさを認識していることは、双方のつながりを示す重要なデータです。
今後の改善点として挙げられた混雑時の移動の安全性や案内サインのわかりやすさは、万博会場内だけでなく、全国各地の観光地においても重要な課題です。身体的な不自由を抱える方々が、より快適に観光を楽しむための環境整備が期待されます。
項目 | 結果 |
---|---|
楽しかったと感じた割合 | 92.3% |
ボランティアスタッフの評価(利用者が楽しんでいたと思う割合) | 97.5% |
来場のきっかけとしての会場内サポート | 81.6% |
万博以外の機会でも利用したいと回答した割合 | 80% |
NPSスコア | +44.2 |
お金を払ってでも使いたいと回答した割合 | 69% |
このように、会場内サポートは身体的不自由を抱える方々にとって、万博を楽しむ上で欠かせないサービスとして機能していることが確認されました。今後もこの取り組みが全国各地に広がり、より多くの人々が快適に観光を楽しむことができるようになることが期待されます。