2025年6月調査で判明!医師の英語力不足と外国人患者増加の課題

医師の英語対応調査

開催期間:6月13日〜6月14日

医師の英語対応調査
なんで日本の医師は英語力が足りないって言われてるの?
日本の医学教育は日本語中心で行われており、英語での医学教育の機会が少ないため、英語での診療や説明に自信が持てない医師が多いことが理由です。
外国人患者が増えてるけど、医療現場でどんな問題が起きてるの?
診断や治療内容の説明不足、病歴の正確な把握が難しいといった語学力不足による支障が多く、医療の質や患者の安全に影響を及ぼす問題が発生しています。

医師の英語力不足と外国人患者の増加

近年、日本の医療現場では外国人患者の増加が顕著であり、これに伴い医師の英語対応力が重要視されています。MED ITALY株式会社が実施した調査によると、約9割の医師が「外国人患者が増えている」と実感しており、語学対応力の必要性が高まっていることが明らかになりました。

調査結果によれば、医師の多くが英語での「診断や治療内容の説明」や「症状や病歴の把握」に支障を感じており、語学力不足が医療の質や患者の安全に影響を及ぼすと考えています。日本では医学教育が日本語を中心に行われているため、英語での医学教育を受ける機会が限られていることも一因とされています。

【医師の9割以上が英語力不足を痛感】増える外国人患者に対応する日本の医療現場や、国際学会での問題点を調査 画像 2

調査の概要と結果

この調査は、2025年6月13日から14日にかけて行われ、全国の医師約1,000人を対象に実施されました。調査方法はPRIZMAによるインターネット調査で、1,029人の医師が回答しました。

調査の主な結果は以下の通りです:

  • 外国人患者の増加を実感している医師は約9割。
  • グローバルに活躍する医師への憧れを持つ医師は84.5%。
  • 語学力不足により診療に支障が出たことがある医師は多数。
  • 国際学会での英語力不足を感じる医師は9割以上。
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外国人患者への対応と医師の意識

調査において、医師が「外国人患者の診療で語学力不足により支障が出たこと」について尋ねたところ、最も多かったのは「診断や治療内容を十分に説明できなかった」(42.3%)という回答でした。次いで「症状や病歴を正確に把握できなかった」(39.4%)や「処方薬の服用方法や注意点が伝わらなかった」(32.7%)という結果が続きました。

これらの結果から、医師たちが語学力不足により医療説明の精度が低下し、正確な診断や適切な治療方針の決定が難しくなっていることが浮き彫りになりました。

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国際学会における英語力の重要性

国際学会に参加する際の英語力の重要性も調査されました。「英語力がもっと高ければ、より有意義なものにできたと感じたことはあるか」という質問に対して、9割以上の医師が「とても感じた」(43.2%)または「ある程度感じた」(47.4%)と回答しました。

国際学会では、専門用語を使った円滑なやりとりが求められ、他国の最新研究を正確に理解し、自らの成果を広く発信する必要があります。これにより、英語力の向上が学術活動を充実させるために欠かせない要素であることが示されています。

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英語対応体制の現状と課題

職場の英語対応体制についても調査が行われました。「職場で英語でスムーズに医療対応ができるスタッフの割合」について尋ねたところ、英語対応スタッフが「5割以上」いると回答したのはわずか15.6%にとどまりました。これは、外国人患者の増加を実感している医師たちが多い中で、十分な英語対応体制が整っていないことを示しています。

さらに、「職場の英語対応に関する課題」について尋ねたところ、最も多かったのは「英語での対応に時間がかかり診療効率が下がる」(38.0%)という回答でした。これに続いて「外国人患者対応で誤解やトラブルが起こることがある」(33.7%)や「英語を話せるスタッフが限られており、対応が属人的になっている」(33.2%)という意見も多く寄せられました。

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医師自身の英語対応力と自信

医師自身の英語での診療や説明に対する自信についても調査されました。「英語での診療や説明にどの程度自信があるか」という質問に対し、6割以上の医師が「とても自信がある」(20.9%)または「やや自信がある」(44.3%)と回答しましたが、「とても自信がある」と答えた医師は約2割にとどまりました。

これは、専門用語や文化的背景に配慮した説明が求められる場面が多い中で、実践的な英語対応力の向上が求められていることを示しています。

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英語対応力の重要性と今後の展望

医師たちは、英語対応力がキャリア形成において非常に重要だと認識しています。「今後、英語対応力は医師としてのキャリア形成において、どの程度重要だと思うか」という質問に対して、8割以上が「とても重要だと思う」(31.7%)または「やや重要だと思う」(51.2%)と回答しました。

英語対応力のメリットとしては、外国人患者との円滑なコミュニケーションや、最新の医学論文や医療情報を英語で直接入手できることが特に重視されています。また、国際学会での発表や海外研修での活動機会が増えることも期待されています。

さらに、約9割の医師が「医学留学など海外で学ぶ経験をした方がよいと思う」と回答しており、海外での学びによって専門知識を深めるだけでなく、英語対応力を実践的に高める機会があることが認識されています。

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まとめ

今回の調査を通じて、医療現場における英語対応力の必要性とその課題が明らかになりました。外国人患者の増加に伴い、医師たちは語学力不足による診療上の支障を感じており、特に「診断や治療内容の説明不足」や「病歴の把握困難」といった課題が多く挙げられました。

職場の英語対応については、十分な体制が整っていないことが明らかになり、医師自身も英語診療に不安を抱く方が多いことが示されました。今後、医療現場での英語対応力の向上が求められる中で、海外での学びや実践的な語学力の習得が重要な要素となるでしょう。

調査項目 結果
外国人患者の増加を実感している医師 約9割
グローバルに活躍する医師への憧れ 84.5%
語学力不足による診療支障 多数(主に説明不足)
職場の英語対応スタッフが5割以上 15.6%
英語対応力の重要性を認識 8割以上

このように、医療の質を向上させるためには、医師たちの英語対応力を高めることが急務であると考えられます。今後の医療現場においては、語学教育と実践的な経験を通じて、医師たちが国際的な視野を持つことが求められるでしょう。

参考リンク: