2025年7月11日開始、第一生命と東京大学が『しあわせ寿命』共同研究を始動

しあわせ寿命共同研究開始

開催日:7月11日

しあわせ寿命共同研究開始
しあわせ寿命って何?
しあわせ寿命は、生命寿命や健康寿命を超えて、個人のwell-beingや幸せの質を評価する新しい社会指標で、AIと人間の協働で設計されます。
この共同研究で何をするの?
東京大学と第一生命が、小学生から成人までを対象にゲーミフィケーションを用いて、well-beingやメンタルレジリエンスを高める新たな指標を開発・評価します。

国立大学法人東京大学との共同研究開始について

2025年7月11日、第一生命ホールディングス株式会社と国立大学法人東京大学は、東京大学大学院工学系研究科との共同研究を開始しました。この研究は、AIと人間の協働を通じて「しあわせ寿命」という新しい価値軸をデザインすることを目的としています。

本研究は、第一生命グループの株式会社第一生命経済研究所が1980年代から進めてきた「ライフデザイン」の考え方と、最近注目されている「well-being」の概念を融合させることで、新たな指標を構築するものです。具体的には、well-being、ライフデザイン、メンタルレジリエンスに関する理解を深めるために、小学生から成人までを対象にしたゲーミフィケーションコンテンツを開発し、その有効性を中高生や大学生、地域住民を含む市民と共に評価します。

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研究の目的とSDGsへの貢献

本研究の目的は、SEL(社会的・情動的スキル)などの非認知能力の向上に寄与することです。さらに、以下のSDGs目標に資する取り組みを行います:

  • 目標3: すべての人に健康と福祉を
  • 目標4: 質の高い教育をみんなに
  • 目標8: 働きがいも経済成長も
  • 目標9: 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標10: 人や国の不平等をなくそう
  • 目標17: パートナーシップで目標を達成しよう

第一生命グループは、100年以上にわたってお客様の人生に寄り添い、一人ひとりの幸せの形を実現するために取り組んできました。この共同研究を通じて、AIと人間の協働による「しあわせ寿命」という新たな社会指標の提案と、well-beingの可視化・向上に挑戦することは、未来に必要とされる新たな価値の共創につながると考えています。

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研究の方法とテクノロジーの活用

本研究では、生成AIをはじめとする先端テクノロジーを活用し、AGI(汎用人工知能)未到達の現在のAIが人間の倫理性や社会性、さらには「しあわせ」という非常に主観的な価値観をどの程度理解し、人間の意思決定や学習を支援できるかを多角的に検証します。

このプロジェクトは、第一生命保険株式会社と第一生命経済研究所に跨るグループ横断のプロジェクトであり、社内公募によって広く研究参加者を募ります。選抜された社員は、研究メンバーとして保険ビジネスに関する実務知見を提供し、同時に東京大学の研究員からAI活用やデジタル社会における価値創出に向けた先端の知識と経験を得ることが期待されます。

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プロジェクトCHANGEとその意義

本研究は、2022年より参画している川崎市産業振興財団主導のCOI-NEXTプロジェクトCHANGEから派生したスピンアウト研究です。2023年のCHANGEリトリート合宿では、コロナ後に増加している小中学生の自殺問題や、人生100年時代における健康寿命の延伸に関心が高まる一方で、「それほど長生きを望まない」と考える人も多い現実が共有され、それに向き合う必要性が議論されました。

医療の進歩により生命寿命が延び、多くの企業やアカデミアが健康寿命の延伸や健康経営に取り組む中で、我々は「どのような未来を目指すべきか」と「そのために必要なものは何か」を議論し続けています。こうした中で、生命寿命や健康寿命に加え、それらを包摂・超越する『しあわせ寿命』という新たな軸を提案し、その実装を目指す構想が誕生しました。

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COI-NEXTプロジェクトの概要

COI-NEXTは、文部科学省と国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が推進するプログラムで、SDGsに基づく未来の社会像の実現に向けて、大学を中心に産学官および多様なステークホルダーとの共創による研究開発と持続可能な拠点形成を推進するものです。このプログラムは、令和2年度に開始され、大学の強みを活かした地域・社会への価値創出を目指しています。

具体的には、医工看共創が先導するレジリエント健康長寿社会をビジョンに掲げ、少子高齢社会における医療職種の負担軽減や老化に抗う身体を造る研究開発を行っています。また、市民のケアコンピテンシーを高めるため、誰もが簡便に扱えるケア製品やシステムの開発も進めています。

項目 詳細
共同研究機関 第一生命ホールディングス株式会社、国立大学法人東京大学
研究目的 しあわせ寿命という新たな指標の構築とwell-beingの向上
対象者 小学生から成人まで
SDGs目標 3, 4, 8, 9, 10, 17
プロジェクトCHANGE 川崎市産業振興財団主導のCOI-NEXTプロジェクト

以上の情報を通じて、第一生命グループと東京大学の共同研究が目指す「しあわせ寿命」という新たな価値軸の形成が、今後の社会にどのように寄与していくのか、注目されるところです。この研究がもたらす成果が、より良い社会の実現に向けた一助となることを期待しています。

参考リンク: