2025年7月23日 ガンホー臨時株主総会請求の背景と狙い
ベストカレンダー編集部
2025年7月23日 16:10
ガンホー臨時株主総会請求
開催日:7月23日
株式会社ストラテジックキャピタルがガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社に臨時株主総会の招集を請求
2025年7月23日、株式会社ストラテジックキャピタル(以下「SC」)は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社(以下「ガンホー」)に対して臨時株主総会の招集を請求したことを公表しました。SCは、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITEDと投資一任契約を締結し、ファンドとともにガンホーの株式を約8%保有しています。
今回の臨時株主総会の招集請求には、いくつかの重要な議題が提案されています。これらの議題は、ガンホーの経営体制や株主価値に大きな影響を及ぼす可能性があります。
提案されている議題の詳細
SCが提案した議題は以下の通りです。
- 定款一部変更(取締役解任決議要件を加重する条項の削除)
この議題は、取締役の解任決議の基準を現在の議決権の3分の2以上から、会社法の規定に従い議決権の過半数に引き下げることを目的としています。ガンホーの現行定款には、議決権の過半数での解任決議ができないという規定があり、この規定を削除することが求められています。
- 取締役森下一喜解任の件
森下氏を取締役から解任することが提案されています。森下氏はガンホーの代表取締役社長CEOであり、その経営責任が問われています。
臨時株主総会招集の背景
SCが臨時株主総会を招集する背景には、いくつかの問題点が指摘されています。
- 業績および株価の低迷
ガンホーは、過去10年間にわたり業績が低迷し、株価パフォーマンスがゲーム業界の大手企業に比べて大きく劣っていることが指摘されています。具体的には、ガンホーの株価は過去10年間で▲35%の下落に対し、同期間のゲーム大手は+258%から+1780%の上昇を示しています。
- 一発屋としての評価
ガンホーは、2012年にリリースした「パズドラ」以降、新たなヒット作を生み出せておらず、いわゆる「一発屋」としての評価を受けています。この原因は、森下氏がゲーム開発の権限を他のクリエイターに与えず、自らの判断で開発を進めたことにあるとされています。
- 市場の期待の低下
2025年6月末時点でのガンホーの時価総額は1,496億円ですが、同年3月末時点での現預金は1,366億円とほぼ同等であり、株主価値が現預金の価値に依存していることが示されています。市場はガンホーの将来に対する期待を失っていると考えられます。
- 取締役としての不適格性
森下氏は、過去10年間の報酬が増加しているにもかかわらず、業績貢献が乏しいことが問題視されています。また、株主との対話を拒否し、経営方針の具体的な開示を行わないことも指摘されています。
- 社外取締役の独立性不足
森下氏は社外取締役の数が全取締役数の3分の1未満である取締役会の構成に責任があるとされています。真に独立した社外取締役が不足しており、取締役会の透明性が欠如しています。
今後の展望と株主価値の向上
SCは、ガンホーの経営陣との対話や株主の権利行使を通じて、企業・株主価値の向上を目指しています。臨時株主総会における議題がどのように進展するかは、今後のガンホーの経営方針に大きな影響を与えるでしょう。
各議案の詳細な説明は、後日開設予定の特設サイトで確認できるとのことです。これにより、株主や投資家はガンホーの今後の方針についてより深く理解することができるでしょう。
| 議題 | 概要 |
|---|---|
| 定款一部変更 | 取締役解任決議要件を過半数に引き下げる。 |
| 取締役森下一喜解任 | 森下氏を取締役から解任する。 |
以上の内容を踏まえ、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の今後の動向に注目が集まります。これにより、株主価値の向上が図られることが期待されます。
参考リンク: