2025年7月23日公開『ブルックリンでZ級監督と恋に落ちた私』がファンタジア映画祭で熱狂のデビュー

ファンタジア国際映画祭での華々しいデビュー

2025年7月23日、カナダ・モントリオールで開催された第29回「ファンタジア国際映画祭」において、宇賀那健一監督の最新作『ブルックリンでZ級監督と恋に落ちた私』（英題：I Fell in Love with a Z‑Grade Director in Brooklyn）がワールドプレミア上映されました。この映画祭は、ホラー、ファンタジー、SF、アニメーション、青春映画などのジャンル映画を中心に紹介する北米最大級の映画祭です。

上映会場は約600席のConcordia Hall Theatreで、観客は上映前から長い列を作り、会場は満席となりました。上映前には監督とキャストが登壇し、それぞれの思いを語りました。宇賀那監督は、「自分自身関係性の深いモントリオールで最新作が上映できることをとてもうれしく思います」と挨拶し、主演の三原羽衣は「とても楽しい仲間たちとこの映画撮影出来て幸せでした。みんな大好き！！！」と笑顔で語り、会場を和ませました。

映画のストーリーとテーマ

『ブルックリンでZ級監督と恋に落ちた私』は、夢破れた女優・シイナ（演：三原羽衣）がニューヨークで出会った売れないZ級ホラー映画監督・ジャックとともに“世界最低予算”の映画制作に挑む物語です。シイナは、自分自身と映画への愛を取り戻していく過程で、血まみれでちょっと泣けて笑える独自のトーンが話題となっています。

映画祭の公式プログラムでは「ジム・ジャームッシュとトロマ作品の融合」と評されるなど、そのユニークなストーリーが観客を惹きつけました。上映後には、観客から割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こり、スタンディングオベーションが起こるなど、熱狂の渦に包まれました。

Q&Aセッションでの三原羽衣の思い

上映後のQ&Aセッションでは、三原羽衣が本作への思いを語りました。「この作品を撮影した時、自分自身が演じることに迷いがあり、楽しさを見失っていました。でも、慣れないニューヨークという環境の中で、底抜けに明るい仲間たちに囲まれて、シイナのように“演じることの楽しさ”を思い出すことができました。」と率直に語り、観客の多くが静かに耳を傾けました。

その告白に、再び大きな拍手が会場を包み、観客とキャストとの間に深い絆が生まれた瞬間でした。

三原羽衣の最優秀演技賞受賞

上映から数日後の7月26日、ファンタジア国際映画祭の授賞式にて、主演の三原羽衣が“Outstanding Performance（最優秀演技賞）”を受賞しました。この権威ある映画祭で若干22歳の彼女がその存在感と演技力をもって堂々と名を刻みました。

今回の受賞は、キャリア初の長編映画主演であり、海外ロケという挑戦の中で掴み取ったもので、努力と才能が結実した圧巻の快挙です。観客を惹きつける繊細な感情表現と、役そのものに溶け込んだ演技が現地の批評家たちにも高く評価され、海外批評サイトでは「シイナというキャラクターの心の揺れを誠実に、そして自然に演じきった」と称賛されました。

三原羽衣の受賞コメント

受賞を受けて三原羽衣は、「私がこのような賞を頂けるとは思っていなかったので、聞いた時は気持ちが追いつかず困惑していましたが、1日ほど経ちやっと実感が湧いてきました。今は、嬉しい気持ちでいっぱいです。この作品は私の転機となったもので、私が演じたシイナと同じように演技に楽しさを失っている時期にクランクインしました。」とコメントしました。

さらに、「初の海外ロケで、言語の壁が高く不安は大きかったのですが、作品同様に海外クルーたちに沢山の刺激をもらい、演じることの楽しさを思い出させてくれました。」と、彼女の成長と感謝の気持ちが伝わる言葉が印象的でした。

監督とキャストのコメント

宇賀那健一監督は、「僕の映画人生において最も重要な地、モントリオールで今年もまた新作が発表出来てとても嬉しく思います。ここからまだ暫く海外映画祭での上映が続いていきますし、来春には国内での上映も始まりますので、引き続き応援の程、宜しくお願い致します！」と語り、今後の展望に期待が寄せられます。

共演の中川勝就も、「このたびは、このような素晴らしいイベントに参加させていただき、誠に光栄でした。自分が出演した映画を、リアルタイムでご覧いただいた皆さまの反応を間近に感じられる、温かくて特別な空間でした。」と感謝の気持ちを述べました。

作品情報と今後の展開

『ブルックリンでZ級監督と恋に落ちた私』は2026年春に全国ロードショーを予定しています。監督・脚本は宇賀那健一、主演には三原羽衣、エステヴァン・ムニョス、中川勝就（OWV）などが名を連ねています。この作品は、映画制作の原点をポップかつ大胆に描いた“ジャンル映画”の新たな旗手として、国内外の映画ファンの期待を集めています。

映画祭での熱狂が、今から待ち遠しい作品です。観客の心をつかんだ三原羽衣の演技力が、今後どのように評価されていくのか、注目が集まります。

このように、ファンタジア国際映画祭での上映と三原羽衣の受賞は、映画界に新たな風を吹き込む出来事となりました。作品の完成度やキャストの演技力が高く評価され、今後の展開に期待が寄せられています。