2025年7月31日発表：外国人材の6割以上が日本で長期キャリア形成希望

外国人材の日本でのキャリア形成に関する実態調査

ヒューマンホールディングス株式会社は、2025年7月31日に外国人材の日本での仕事観とキャリアに関する実態調査結果を発表しました。この調査は、当社グループで人材事業を展開するヒューマングローバルタレント株式会社が運営する転職・求人情報サイト「Daijob.com」に登録している外国籍の方々を対象に行われました。調査の目的は、日本で働く外国人材の仕事観やキャリア観を把握し、彼らの受け入れや定着に向けたヒントを得ることです。

調査結果によれば、外国人材の約65.0％が「日本で長期的にキャリアを築きたい」と回答しており、彼らが一時的な労働力ではなく、中長期的な活躍を望んでいることが明らかになりました。このことは、日本企業が外国人材を受け入れる際に、彼らの期待に応える支援が重要であることを示唆しています。

調査結果の概要

調査は2025年7月7日から7月16日までの期間に実施され、280名の外国籍登録者からの回答を得ました。以下に、調査結果の主要なポイントを示します。

• 日本での仕事に満足している外国人材は55.0％：満足と回答した人の中で、「満足」と「やや満足」を合わせた割合が55.0％に達しました。
• 日本での長期的キャリア形成を希望する外国人材は65.0％：多くの外国人材が日本をキャリアの場として捉えています。
• 希望年収は「300万〜400万円」が最多：調査結果によれば、外国人材の希望年収は現実的で、生活の安定と将来のキャリア成長を見据えた水準にあります。
• 給与はメリットであり課題でもある：成果に見合った報酬制度の整備が、外国人材の定着と活躍のための重要なポイントです。

外国人材が感じる日本での仕事のメリット

調査では、外国人材が日本で働くことのメリットについても質問しました。最も多く挙げられたメリットは「治安や生活環境の良さ」であり、65件の回答がありました。このことから、安全で快適な生活基盤が、日本での就労を後押しする重要な要素であることがわかります。

その他のメリットとしては、以下のような回答がありました：

1. 給与（50件）
2. 長期雇用の文化（46件）
3. 健康保険・年金制度（43件）

経済的安定や社会保障に関連する回答が上位を占めており、日本の雇用慣行や社会制度に対して一定の安心感を持っていることが示されています。

日本の労働環境における評価と改善点

調査結果では、日本の労働環境で優れている点として最も多く挙げられたのは「給与」であり、19.1％がこの選択をしました。次いで「安全な労働環境」（16.6％）や「仕事の安定性」（14.0％）が続き、日本の安定志向や企業慣行が高く評価されています。

しかしながら、改善が求められる点も存在します。最も多く挙げられたのは「ワークライフバランス」であり、21.8％がこの選択をしました。長時間労働や有給休暇の取りにくさなど、日本の働き方に対する課題が浮き彫りになっています。

さらに、給与についても優れている点として評価される一方で、より高水準の給与や成果に見合った報酬を求める声が存在し、円安や生活コスト上昇を背景に、実質的な手取りの低下を懸念する声が増えていることが考えられます。

希望する年収と今後の展望

調査結果によると、外国人材が日本で希望する目標年収額は「300万円～400万円未満」が最多であり、全体の15.7％を占めています。次いで「400万円～500万円未満」（15.4％）や「500万円～600万円未満」（11.4％）が続き、全体で42.5％が300万～600万円の範囲に分布しています。

厚生労働省のデータによると、外国人労働者の「専門的・技術的分野」の平均月給は29万9600円で、年収換算で約360万円となっています。このため、外国人材が希望する報酬水準は現実的であり、生活の安定と将来のキャリア成長を見据えた水準にあることがうかがえます。

調査結果を受けた企業の対応と今後の展望

ヒューマングローバルタレント株式会社の代表取締役である横川友樹氏は、調査結果から外国人材が日本で安定的なキャリアを築きたいという意欲が明確に示されたと述べています。企業は彼らの期待に応え、多様性を生かした職場環境を整備することが、日本の労働力不足解消にも直結するとのことです。

ヒューマングローバルタレントは、企業と外国人材の架け橋として、より良い採用・定着支援に注力していく方針です。これにより、外国人材が日本で長期的にキャリアを築くための環境が整備されることが期待されます。

まとめ

この調査結果は、外国人材が日本での長期的なキャリア形成を希望していることを示しており、企業がその期待に応えるための取り組みが求められています。今後の日本における外国人材の受け入れと定着に向けた施策が期待されます。