2025年2月17日発売『ブラック郵便局』郵便局の闇に迫る調査報道
ベストカレンダー編集部
2025年8月7日 12:27
ブラック郵便局発売
開催日:2月17日

『ブラック郵便局』の内容と背景
『ブラック郵便局』は、郵便局員たちが抱える過剰なノルマや深刻なパワハラの実態を描いたルポルタージュです。著者の宮崎拓朗氏は、6年以上にわたり1000人以上の関係者からの証言を基に、郵便局という巨大組織の歪みを明らかにしました。この書籍は2025年2月17日に発売され、すでに累計1万4千部を超える重版を達成しています。
郵便局は私たちの日常生活に欠かせない存在であり、全国に広がる2万4000局、従業員30万人以上という規模を誇ります。しかし、その裏側には、配達員による大量の郵便物の廃棄や、手段を選ばない保険営業、さらには横領や詐欺といった問題が潜んでいます。この本は、そんな現実を直視することを促しています。
郵便局員の実態と証言
著者は取材を通じて、多くの郵便局員からの切実な声を集めました。中には、過剰なノルマに苦しむ局員の実態を語る証言がありました。「今までに、年賀はがきの自爆営業で総額100万円ぐらいは身銭を切ってきた」との声もあり、ノルマの厳しさが浮き彫りになっています。
また、パワハラの問題も深刻です。局員たちは上層部からの叱責や人格否定にさらされ、精神的に追い詰められるケースが多いといいます。中には「出勤するのが怖く、電車に飛び込みたくなるときがあります」といった切実な声も寄せられました。これらの証言は、郵便局という組織の内部に潜む闇を示しています。
過剰なノルマの実態
郵便局員に課せられるノルマは、しばしば異常なレベルに達しています。特に年賀状の販売に関するノルマは厳しく、局員は自腹で購入することを強いられることがあるのです。このような状況は、局員の生活を圧迫し、精神的な負担を増大させています。
過剰なノルマの影響で、局員たちは業務に対する意欲を失い、心身ともに疲弊していくのです。これにより、郵便局の業務自体が危機的な状況に陥ることも懸念されています。
パワハラとその影響
パワハラは、郵便局内での人間関係にも深刻な影響を与えています。上司からの叱責や圧力により、多くの局員が精神的な苦痛を抱えています。このような環境では、局員が自らの意見を言いづらくなり、結果として不正行為が横行する土壌が形成されてしまいます。
また、パワハラによるストレスから、局員が精神的に病んでしまうケースも多く、退職に追い込まれる人も少なくありません。このような状況は、郵便局全体の士気を低下させ、業務の質にも悪影響を及ぼしています。
読者の反響と社会的意義
『ブラック郵便局』の刊行後、著者は多くの読者から感想を受け取っています。その中には、涙を流しながら読んだという声や、過去の自分を思い出したという感想が寄せられています。特に、現役の局長からは「このままでは現場で働く人間が壊れてしまいます」といった危機感が伝えられました。
この本は、単なる告発にとどまらず、郵便局の環境改善を求める声としても重要な役割を果たしています。著者は今後も取材を続け、郵便局の問題を広く知らしめることを目指しています。
読者の感想の一部
- 「読んでいて何度も涙を流す場面があり、過去の自分を思い出しました。」
- 「この本の出版で郵便局の環境が少しでも良くなれば、幸いです。」
- 「現役局長です。このままでは現場で働く人間が壊れてしまいます。」
著者と書籍の詳細
著者の宮崎拓朗氏は、1980年生まれで福岡県出身です。京都大学を卒業後、西日本新聞社に入社し、社会部での取材を通じて日本郵政グループの問題に取り組んできました。これまでに数々の賞を受賞しており、その実績が本書の信頼性を高めています。
『ブラック郵便局』の書籍データは以下の通りです:
タイトル | ブラック郵便局 |
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著者名 | 宮崎拓朗 |
発売日 | 2025年2月17日 |
定価 | 1,760円(税込) |
ISBN | 978-4-10-356151-4 |
書籍ページURL | https://www.shinchosha.co.jp/book/356151/ |
『ブラック郵便局』は、郵便局という組織の裏側で何が起きているのかを明らかにする重要な作品です。郵便局員たちの声を通じて、私たちが普段目にすることのない現実を知ることができるでしょう。著者の執念の調査報道により、郵便局の環境が改善されることを期待したいところです。
参考リンク: