嘉義市、梅田と中之島で台湾文化を発信 展示と交流

嘉義市の関西文化交流

開催期間:8月9日〜8月10日

嘉義市の関西文化交流
これは何のための訪問なの?
黄敏惠市長ら嘉義市訪問団が文化外交と都市デザイン交流を目的に関西を訪問。梅田での「We TAIWAN」展や中之島のTAIWAN PLUS出展、神戸のKIITO視察を通じて嘉義の文化・産業ブランドを対外発信したものです。
日本でどんな展示や商品が見られるの?
先端映像と光・音のインスタレーションで陳澄波らの名作を再現する「台湾本色」展示に加え、嘉義百選による木彫や工芸、阿里山コーヒー、米製品、ガチョウ料理関連の商品や土産が出展されます。

関西での文化外交:大阪・梅田で示された“台湾本色”

嘉義市政府は2025年8月9日から10日にかけて、黄敏惠市長(こうびんけい)を団長とする嘉義市訪問団を率いて日本・関西を訪問し、文化外交と創造的交流を実施した。プレスリリースは2025年8月15日 20時01分に公開されており、訪問の主な焦点は文化展示の視察と対外発信、及び都市デザイン分野での事例研究であった。

大阪・梅田のGrand Green Osakaにある現代的な展示・公演空間「VS. 空間」では、文化部主催の特別展「We TAIWAN 台湾スペクトラム」が開催され、キュレーターの林昆穎(りん・くんえい)氏が黄市長に展示内容を案内した。展示は先端映像技術と光・音のインスタレーションを融合し、台湾の代表的な画家たちの名作と地域の風景を再現する構成となっていた。

嘉義市、日本訪問で文化外交と都市デザイン交流を深める 画像 2

展示の内容と表現手法

展示のテーマは「台湾本色(台湾の本来の色)」で、陳澄波(ちん・とうは)や林玉山(りん・ぎょくざん)らの作品を中心に構成された。来場者は映像・光・音のインスタレーションを通じて、嘉義を象徴する中央ロータリーの噴水池や駅舎の風景、陳澄波の筆致や色彩感覚を体感できるように設計されている。

黄敏惠市長は展示に関して次のように述べている:「本展は国境を越える台湾の文化と創造力を示し、世界に台湾の自信としなやかさを伝えるものです。嘉義が台湾の『絵画の都』であり、初期のモダン都市であった姿も感じられます。文化とテクノロジーを融合し、奇跡の島・台湾の無限の創造力を世界に発信する」

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中之島でのTAIWAN PLUS 2025参加と嘉義百選の出展

嘉義市訪問団は中之島で開催された「TAIWAN PLUS 2025 台日新風」に参加し、文化クリエイティブや工芸、食文化を通じて嘉義の地域ブランドをPRした。出展は2週末にわたり行われ、8月9日〜10日と8月16日〜17日の開催期間において、多数のブランドと商品が紹介された。

今回のフェアは夜市文化をテーマに、音楽、デザイン、工芸品、美食が融合した催しであり、嘉義市は「嘉義百選(嘉義コレクション100)」というブランドで参加した。黄市長は地元企業とともに「嘉義百選」および「320+1 嘉義市博覧会」をPRし、地域の文化創意ブランド「Good Form」を紹介した。

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出展ブランドと商品構成

嘉義百選の出展者は以下の8組で、伝統工芸、食文化、宗教文化を含む多様な分野をカバーしている。

  • 陳佐民木雕工作室(伝統木彫工房)
  • 手半屋(工芸店)
  • 嘉義城隍廟(伝統寺院)
  • 湯城鵝行(ガチョウ料理専門店)
  • 義興嘉釀(醸造ブランド)
  • 里響咖啡(コーヒーブランド)
  • 奮起福米餅(米菓ブランド)
  • 林聰明沙鍋魚頭(魚頭鍋料理専門)

出展では木彫工芸や宗教文化を体現する商品、阿里山鉄道「栩悅号(Vivid Express)」の模型、嘉義城隍廟の仮面デザイン商品などが展示された。食関連では林聰明沙鍋魚頭のインスタント麺やポップコーン、台農82号米やバナナミルクを用いた新しい米製品、阿里山エステートコーヒー、醤油やネギ入りガチョウ油など多彩な商品が披露された。

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プロモーションと市長の役割

黄市長は現地で嘉義の文化創意ブランド「Good Form」をPRし、醸造ブランド「義興嘉釀醤油」の商品紹介も行った。これは地域資源をブランド化して海外の市場や来訪者へ直接伝える意図を持つ行動であり、嘉義の多様な生活文化とクリエイティブ産業を同時に伝える構成となっていた。

このフェアは台湾の文化とライフスタイルを日本の観客に向けて発信する場として機能し、嘉義市側は複数の地元企業と共同でブース運営や商品展示を行っている。

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都市デザイン交流:神戸のKIITO視察と実務的学び

8月10日には、黄敏惠市長が神戸市中央区にある「神戸デザイン・クリエイティブセンター(KIITO)」を訪問した。KIITOは旧神戸生糸検査所を再生した歴史的建築を拠点に、創造性と社会イノベーションのための都市プラットフォームとして活用されている施設である。

同センターのシニアマネージャー近藤健史氏が施設の運営や取り組みについて案内し、運営手法、空間再生、市民参加を伴うプログラム運営などが紹介された。こうした事例は嘉義市が計画中の「地域デザインセンター」構築にとって参考となる点が多いと説明されている。

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視察で共有された具体的な示唆

黄市長はKIITOの空間再生や市民参加の取り組みを、旧施設活用の優れた事例として評価した。視察を通じて得られた具体的な示唆は以下の領域に整理されている:

  1. デザインデータベースの構築による知的資産管理
  2. 地域資源の統合と産業連携による価値創出
  3. 美意識教育やデザイン思考の普及促進
  4. 国際的なデザインイベント(例:デザインウィーク)の開催構想

このほか、会談では神戸市企画調整局の中野善文部長が文化・展示分野でのさらなる協力を期待する旨を述べ、嘉義市文化局の謝育哲(しゃいくてつ)局長は今回の訪問が嘉義ブランドの国際的認知度を高め、2025年大阪・関西万博に呼応するものになるとの見解を示した。

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要点の整理と資料情報

以下の表はこの記事で取り上げた主要事項を分かりやすく整理したものである。表の項目は訪問期間、主な訪問先、実施した活動、代表的出展者・展示内容、関係者の発言などを網羅している。

項目 内容
プレスリリース発行元 嘉義市政府
発行日時 2025年8月15日 20時01分
訪問期間 2025年8月9日〜10日(文化交流・視察)、TAIWAN PLUS 出展は8月9日〜10日および8月16日〜17日
訪問先(主な場所) Grand Green Osaka(VS. 空間、梅田)、中之島(TAIWAN PLUS 2025)、神戸デザイン・クリエイティブセンター(KIITO、神戸)
主な活動 「We TAIWAN 台湾スペクトラム」特別展視察、TAIWAN PLUS 2025 出展、KIITO視察・意見交換
代表的出展・参加ブランド 陳佐民木雕工作室、手半屋、嘉義城隍廟、湯城鵝行、義興嘉釀、里響咖啡、奮起福米餅、林聰明沙鍋魚頭
展示テーマ 「台湾本色(台湾の本来の色)」、先端映像・光・音インスタレーションでの名作再現
主要関係者(発言者) 黄敏惠市長、林昆穎キュレーター、近藤健史(KIITOシニアマネージャー)、中野善文(神戸市企画調整局)、謝育哲(嘉義市文化局長)
カテゴリ・キーワード 国際情報・国際サービス / 嘉義市、文化外交、都市デザイン
ダウンロード プレスリリース素材(本リリース内で使用されている画像ファイルがダウンロード可能と記載)

この記事は、嘉義市の文化外交活動と都市デザイン分野での交流の内容を事実に基づいて整理・報告したものである。掲載された日付、団体名、出展・訪問先、発言内容などはプレスリリースに基づく情報を網羅している。