Shochiku Game Accelerator 2025 採択2社、9/24デモデイで中間報告
ベストカレンダー編集部
2025年9月2日 18:07
採択企業2社発表
開催日:9月24日

約200社の応募から2社を採択 — 松竹ベンチャーズが描くゲーム体験の新展開
松竹グループのコーポレート・ベンチャー・キャピタルである松竹ベンチャーズ株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:井上貴弘)は、アクセラレータープログラム『Shochiku Game Accelerator 2025』の採択結果を発表しました。本プログラムは2025年3月に募集を開始し、約200社の応募を受け、約6か月にわたる厳正な選考を経て、最終的に2社を採択しています。
本リリースは2025年9月2日18時00分に公表され、今後は採択企業とともに中長期の事業共創に向けた実証実験を推進します。実証実験の中間報告は、2025年9月24日に東京で実施されるデモデイ(中間報告会)で行われる予定です。本イベントは、グローバルなコマース企業であるXsolla(エクソラ)の協賛のもと開催されます。

採択企業選定の背景と狙い
本プログラムは、ゲーム体験をアップデートする新たなサービスの日本進出およびグローバル展開を支援することを目的としています。選考対象は、生成AIやクラウドゲーミング等、ゲーム体験の革新につながる技術やサービスを持つ企業でした。
約200社の応募のうち、最終的に選ばれたのは『生成AI』『クラウドゲーミング』の2ジャンルに該当する企業です。採択企業は年度内に実証実験(PoC)を実施し、松竹のゲームを活用した検証が可能となります。

採択された2社の詳細と技術概要
採択された企業は、いずれもグローバルな展開や日本市場への適応を狙うスタートアップです。ここでは企業ごとの概要、代表者、提供サービス、拠点等を具体的に整理します。
両社ともに、本プログラムでの実証実験を通じて日本市場での適応検証やパートナー連携を進める計画です。以下にそれぞれの企業情報を示します。
- Blacknut Cloud Gaming
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代表:Olivier Avaro
概要:Blacknutはクラウドゲーミング分野のグローバルリーダーであり、ISPやデバイスメーカー、OTTプラットフォーム、メディア企業とのパートナーシップを通じたB2Bソリューション提供に加え、一般消費者向けサービスも展開しています。500本以上の厳選されたプレミアムゲームを取り揃え、PC、モバイル、セットトップボックス、スマートTVなど多様なデバイスでシームレスなゲーム体験を実現しています。
展開地域:ヨーロッパ、アジア、中東・北アフリカ、アメリカ。設立は2016年、フランス・レンヌ本社、パリ、ソウル、サンフランシスコにも拠点を有します。
- 株式会社Ememe
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代表:小島 由香
概要:Ememeは「Text-to-Motion」技術を開発するスタートアップで、テキスト入力のみでキャラクターの3Dモーションやアニメーションを自動生成します。カメラワークや物理法則に基づく自然な動作を含むカットシーンを生成できるため、ゲームや映像制作のコストを大幅に削減することを目指しています。
チーム構成:MIT卒の連続起業家を中心に、東京大学出身の研究者と共同で開発を進めており、次世代コンテンツ制作のインフラ構築を目標としています。
公式URL:https://ememe.ai/

採択企業との実証実験で期待される効果
Blacknutに期待される効果は、クラウドゲーミング基盤を通じた日本市場へのサービス導入検証、既存の松竹のゲームタイトルとの相互接続や配信シナジーの検討などです。多様なデバイスでのプレイ体験やコンシューマ向けサービスの評価が主な検証項目になります。
Ememeについては、Text-to-Motionによるカットシーンやキャラクターモーションの自動生成を通じ、ゲーム制作工数の削減、クオリティの均一化、短納期でのコンテンツ制作の実現などが期待されます。松竹のゲームを用いたPoCによって実際のゲーム制作工程における有効性を確認することになります。

プログラムの支援内容、スケジュール、応募データ
本章では『Shochiku Game Accelerator 2025』が提供する具体的な支援内容、実証実験のスケジュール、応募企業の国別比率などを整理します。支援は実証実験の実施支援、東京でのネットワーキング、パートナー連携支援など多面的です。
選定企業は実証実験期間中に東京での中間報告会(デモデイ)に招待され、日本の投資家やゲーム会社との接点を持つ機会が提供されます。実証実験に関する予算支援やPoCの機会も明示されています。
- 実証実験支援
- 松竹のゲームを使用したPoCの実施が可能。
- プログラム全体の予算として最大10万ドルを提供(非株式の費用負担)。
- 注記:実証実験は「ゲーム体験をアップデートする新たなサービス」が対象。ゲームタイトルの開発費用等は対象外。
- 東京現地でのネットワーキング支援
- 9月24日(水)のデモデイ(中間報告会)に合わせて東京へ招待。
- 日本のベンチャーキャピタルやゲーム会社が集まるイベントでの登壇機会を提供。
- パートナー参加
- ベンチャーキャピタルやゲーム会社がパートナーとして本プログラムに参加予定。
応募企業に関するデータは以下の通りです。国別比率はアジア37%、ヨーロッパ31%、北米20%であり、日本に限らず世界各地からの応募がありました。
項目 | 内容 |
---|---|
応募総数 | 約200社 |
採択数 | 2社 |
応募国別比率 | アジア37%、ヨーロッパ31%、北米20%(その他含む) |

スケジュール(全体)
スケジュールは実証実験を前半・後半に区切って実施する計画です。デモデイは中間報告として位置づけられ、東京での発表機会が設けられます。
詳細な日程は以下の通りです。
- 6月下旬~9月下旬:実証実験期間(前半)
- 2025年9月24日(水):デモデイ(中間報告会・東京開催予定)
- 10月~2025年12月末:実証実験期間(後半)
スポンサー企業Xsollaと松竹ベンチャーズの役割
デモデイの協賛企業であるXsolla(エクソラ)は、ビデオゲーム業界が抱える課題を解決するためのツールとサービスを提供するグローバルなコマース企業です。インディーからAAAまで幅広い開発者が、資金調達、配信、マーケティング、マネタイズの各領域でXsollaと提携しています。
Xsollaの本社は米国カリフォルニア州ロサンゼルスにあり、Merchant of Recordとしての商取引記録管理を含め、これまで1,500社以上のゲーム開発者の成長支援を行ってきました。詳細は公式サイト(https://www.xsolla.com)を参照してください。
一方で松竹ベンチャーズは、2022年7月1日に設立された松竹グループのCVCであり、スタートアップ企業への投資とスタートアップとの共創の2つの事業を柱にオープンイノベーションを推進しています。ゲーム事業室(https://game.shochiku.co.jp/)ではパブリッシング実績があり、直近ではSteamで高評価を得た『MiSide : ミサイド』などの実績があります。
本プログラムの一環として、選定企業は松竹が保有するゲームタイトルを用いたPoC実施の機会が与えられ、松竹側のネットワークを活用した事業化支援が期待されます。
要点の整理(本記事のまとめ)
以下の表は、本プレスリリースで取り上げた主要ポイントを整理したものです。採択企業の情報、支援内容、スケジュール、協賛企業、関連リンク等を網羅しています。
項目 | 内容 |
---|---|
発表者 | 松竹ベンチャーズ株式会社(代表取締役社長:井上貴弘) |
発表日時 | 2025年9月2日 18:00 |
プログラム名 | Shochiku Game Accelerator 2025 |
応募総数 | 約200社(世界中から応募) |
採択企業 | Blacknut Cloud Gaming(代表:Olivier Avaro)、株式会社Ememe(代表:小島由香) |
採択ジャンル | 生成AI、クラウドゲーミング |
実証実験支援 | 松竹のゲームを使用したPoC実施可、プログラム全体予算最大10万ドル(非株式) |
デモデイ | 2025年9月24日(中間報告会・東京、Xsolla協賛) |
実証実験期間 | 6月下旬~9月下旬(前半)、10月~2025年12月末(後半) |
スポンサー | Xsolla(エクソラ) — https://www.xsolla.com |
関連リンク | 松竹ベンチャーズ プログラム詳細:https://www.shochiku-ventures.co.jp/game-accelerator2025/ |
本稿では、松竹ベンチャーズが発表した『Shochiku Game Accelerator 2025』の採択結果とプログラム内容を整理して伝えました。採択されたBlacknut Cloud Gamingと株式会社Ememeは、それぞれクラウドゲーミングと生成AIによるモーション生成という異なるアプローチで、松竹との実証実験を通じた日本市場での適応やグローバル展開を目指します。デモデイは2025年9月24日に東京で予定されており、ここでの中間報告が今後の実証実験の進捗を示す重要な節目となります。
参考リンク: