9月27日開幕 荒木飛呂彦リトグラフ展inサンフランシスコ
ベストカレンダー編集部
2025年9月8日 16:46
荒木飛呂彦版画展
開催期間:9月27日〜10月25日

サンフランシスコでの初公開──荒木飛呂彦によるリトグラフ&レンチキュラー作品の発表
集英社マンガアートヘリテージは、荒木飛呂彦による新作リトグラフおよびレンチキュラープリント作品を、2025年9月27日からサンフランシスコで発表します。本発表は、同時期にデ・ヤング美術館で開催される「Art of Manga」展にあわせて行われるもので、ミネソタ・ストリート・プロジェクト(Minnesota Street Project)内のギャラリースペースを会場としています。
会期は2025年9月27日〜10月25日で、会場は米国カリフォルニア州サンフランシスコの複合アートスペース、Minnesota Street Project(1275 Minnesota St. および 1150 25th St., San Francisco, California 94107)です。休廊日は日曜と月曜となっており、併催で田名網敬一「TANAAMI!! AKATSUKA!!」展も開催されます。
- 会場
- Minnesota Street Project(中央スペース)
- 住所
- 1275 Minnesota St. and 1150 25th St., San Francisco, California 94107, USA
- 会期
- 2025年9月27日〜10月25日(日・月曜休廊)
- 関連
- サンフランシスコのデ・ヤング美術館での「Art of Manga」展にあわせた発表

リトグラフとレンチキュラー──技法と制作のこだわり
荒木飛呂彦は2025年6月より、リトグラフ作品9点の制作を開始しました。リトグラフ(石版画)は200年以上の歴史を持つ版画技法で、今回の作品制作にあたっては伝統的な考え方を踏まえながら、現代的な素材(今回は金属版を採用)を用いて制作されています。リトグラフにおいては、版そのものに作家が直接イメージを描くため、鉛筆やチョークで描かれた線が紙に直に転写され、原画に近い質感が保たれます。
一方で、レンチキュラープリントはレンチキュラーレンズ(シート状のレンズ)を用い、視差を利用して立体視やアニメーション的な見え方を実現する技術です。今回のレンチキュラー作品群では、各部の主人公の印象的なシーンを横幅約1メートルで制作し、鑑賞者が近寄ったり遠ざかったり、左右に歩いたりすることで、瞬間のシーンが拡張された時間のなかで現れるという独特の体験を提示します。
リトグラフの制作詳細と作品リスト
リトグラフ制作では、鉛筆やチョークで直接版に描かれた線が、そのまま紙に再現されます。一般的なマンガの本文が活版輪転印刷で黒白の二値として再現されるのに対して、リトグラフは作家の描線の強弱や鉛筆の質感、チョークの荒れなどを含めて再現されるため、作家の手の軌跡や即興性がそのまま作品として現れます。
荒木が選んだリトグラフの主題となるキャラクターとスタンドは次の9点です。各作品は版元の刷り師と共同で制作され、担当は板津悟(善福寺石版画工房)。9作品それぞれを各100部制作します。
- 空条承太郎/スタープラチナ
- DIO/ザ・ワールド
- 東方仗助/クレイジー・ダイヤモンド
- ジョルノ・ジョバァーナ/ゴールド・エクスペリエンス
- 空条徐倫/ストーン・フリー
- ファニー・ヴァレンタイン/D4C (Dirty Deeds Done Dirt Cheap)
- 岸辺露伴/ヘブンズ・ドアー
- 広瀬康穂/ペイズリー・パーク
- ドラゴナ・ジョースター/スムース・オペレイターズ
- 制作開始
- 2025年6月より荒木飛呂彦が制作
- 刷り師
- 板津悟(善福寺石版画工房)
- 制作点数と部数
- 9作品、各100部
- 技法の特色
- 版に直接描くことにより、鉛筆・チョークの描線が原画に近い質感で再現される
レンチキュラー作品の意図と収録シーン
レンチキュラーは視差を利用した立体表現や、見る角度や距離によってイメージが変化する表現を可能にします。本展のレンチキュラー作品では第1部から第9部までの主人公たちの印象的な瞬間を選び、横幅約1メートルで立体化しました。単眼のカメラで完全に再現できないこの効果は、人間の両眼による視差で初めて最大の効果を発揮します。
収録シーンは以下の通りです。各タイトルは第何部の主人公かを明示しています。
- 第1部 ジョナサン・ジョースター
- 第2部 ジョセフ・ジョースター
- 第3部 空条承太郎/スタープラチナ
- 第4部 東方仗助/クレイジー・ダイヤモンド
- 第5部 ジョルノ・ジョバァーナ/ゴールド・エクスペリエンス
- 第6部 空条徐倫/ストーン・フリー&エルメェス・コステロ/キッス
- 第7部 ジョニィ・ジョースター/タスク ACT4
- 第8部 東方定助/ソフト&ウェット
- 第9部 ジョディオ・ジョースター/11月の雨(ノーヴェンバー・レイン)
京都・東本願寺での巡回展示とチケット情報
サンフランシスコでの展示の後、本展はACK 2025にあわせて京都の東本願寺・白書院で巡回公開されます。会期は2025年11月14日(金)〜11月16日(日)となっており、京都での公開は3日間の限定開催です。
京都会場は完全予約制です。チケットは2025年9月9日(火)13:00より販売開始予定で、集英社マンガアートヘリテージのウェブサイト(https://mangaart.jp/ja/exhibitions/jojo-kyoto-2025/)にて購入できます。入場料は大人1800円、中・高校生1200円です。
- 会場
- 東本願寺・白書院(京都)
- 会期
- 2025年11月14日(金)〜11月16日(日)
- 入場料
- 大人 1800円/中・高校生 1200円(完全予約制)
- チケット販売開始
- 2025年9月9日(火)13:00〜(ウェブサイトでの販売)
- 販売URL
- https://mangaart.jp/ja/exhibitions/jojo-kyoto-2025/
荒木飛呂彦の歩みと本展の位置づけ
荒木飛呂彦は1960年6月7日生まれ、宮城県出身。1980年、『武装ポーカー』で第20回手塚賞に準入選して「週刊少年ジャンプ」でデビューしました。1986年より『ジョジョの奇妙な冒険』の連載を開始して以降、シリーズは国内累計発行部数1億2000万部を超える長期シリーズへ成長しました(2025年時点)。
荒木はマンガ表現のみならず、国内外の美術史の文脈でも評価を受けています。2009年にはルーヴル美術館の企画展に参加し『岸辺露伴 ルーヴルへ行く(Rohan au Louvre)』を発表、2013年にはGUCCIとのコラボレーションが全世界の直営店で展開されました。2018年には国立新美術館(東京)で『荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋』を開催しており、現役のマンガ家として国立の美術館で個展を行った初の例として注目されました。
- 生年月日
- 1960年6月7日
- デビュー
- 1980年 『武装ポーカー』で手塚賞準入選、週刊少年ジャンプデビュー
- 代表作
- 『ジョジョの奇妙な冒険』(1986年〜現在)、2025年は『ザ・ジョジョランズ』(第9部)をウルトラジャンプで連載中
- 主な実績
- ルーヴル美術館企画展参加(2009)、GUCCIコラボ(2013)、国立新美術館個展(2018)
- シリーズ累計発行部数
- 1億2000万部(日本国内シリーズ合計、2025年時点)
要点の整理(本記事のまとめ)
以下は、本記事で触れた展覧会・作品・販売・制作情報を整理した一覧です。展示の日時、会場、作品点数、制作担当、チケット情報など、主要な項目を明確にしました。
項目 | 内容 |
---|---|
発表作家 | 荒木飛呂彦 |
作品ジャンル | リトグラフ(9点)およびレンチキュラープリント(第1部〜第9部の各主人公のシーン、横幅約1m) |
サンフランシスコ会期 | 2025年9月27日〜10月25日(日・月曜休廊) Minnesota Street Project(1275 Minnesota St. and 1150 25th St., San Francisco) |
京都巡回会期 | 2025年11月14日〜11月16日(東本願寺・白書院) |
チケット(京都) | 大人 1800円/中・高校生 1200円(完全予約制) 販売開始:2025年9月9日(火)13:00〜 購入URL:https://mangaart.jp/ja/exhibitions/jojo-kyoto-2025/ |
リトグラフ制作 | 2025年6月より制作開始。9作品、各100部。刷り師:板津悟(善福寺石版画工房)。版材は金属版を使用。 |
レンチキュラー詳細 | 視差を利用した立体・可変表現。第1部〜第9部の主人公の印象的なシーンを収録(各横幅約1m)。鑑賞時の距離・角度で見え方が変化。 |
関連展示 | デ・ヤング美術館「Art of Manga」展と時期を合わせた発表。サンフランシスコ会場では田名網敬一「TANAAMI!! AKATSUKA!!」展を同時開催。 |
販売方法 | 集英社マンガアートヘリテージのウェブサイトにて順次抽選販売を開始予定(https://mangaart.jp/ja)。 |
関連URL | https://mangaart.jp/ja |
以上が今回の発表に関する主要な情報の整理です。本記事では会期、会場、作品構成、制作体制、チケット販売情報、並びに荒木飛呂彦の経歴と実績を含めて、プレスリリースに記載された内容を網羅的にまとめました。
参考リンク: