パスキー採用の暗号化サービス「カギスル」基本機能を無料提供

カギスル無料提供開始

開催日:9月8日

カギスル無料提供開始
パスワード無しで本当に安全に送れるの?
受信者のメールアドレス指定と端末内で一時生成されるパスキー(FIDO2)で暗号化・復号する方式。生体認証やワンタイムコードで本人確認し、パスワードの共有リスクを抑えます。
受け取る側がカギスルを使ってなくても開ける?
開封にアカウント登録は不要で送信可能。ただしパスキー利用時は対応するパスワードマネージャーや端末の生体認証が必要で、非対応環境は個人用パスワードで代替できます。

PPAPが残した課題と、なぜカギスルが求められるのか

ビジネスの現場で長年使われてきたパスワード付きZIPファイル、いわゆるPPAPは、2020年の政府方針以降そのセキュリティ上の問題点が広く認識されるようになりました。操作面や運用面における手間、パスワードの生成・伝達・管理といったヒューマンエラーが情報漏洩の原因となるケースがあり、多くの組織でPPAPからの脱却が課題となっています。

一方で、クラウドストレージや既存のファイル転送サービスでは、導入コストや操作の煩雑さ、共有リンクの誤送信など新たなリスクが生じ、現場の業務フローが十分に変わらない実情があります。こうした背景から、よりシンプルで安全に配慮したファイル共有の手段が求められており、株式会社IDEOJが提供を開始した「カギスル」はこのニーズに応えることを目指したサービスです。

日本初、パスキー技術を応用したファイル暗号化サービス「カギスル」、基本機能を完全無料で提供開始 画像 2

背景の整理と現場が抱える具体的な問題

PPAPの廃止以前からの運用慣行が残る組織では、従業員が慣れた手順を続けるため脱PPAPが進みにくく、結果としてセキュリティ対策が後手に回ることがあります。クラウド移行や新システム導入に伴う教育コストも、導入の障壁となります。

こうした状況に対して、カギスルは現場のワークフローを大きく変えずに導入できる点を重視して設計されています。既存のメールやチャットツールをそのまま使い続けられる仕組みを持ち、利用者の行動負荷を軽減する点が特徴です。

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操作と主な機能 — 実際の使い方と利用上の要件

カギスルはWebブラウザで利用可能なファイル暗号化サービスです。利用者は共有相手のメールアドレスを入力するだけで、その相手だけが閲覧できる暗号化ファイルを作成できます。受信者側のアカウント登録は不要で、カギスルを使っていない相手にも暗号化ファイルを送ることが可能です。

暗号化したファイルはメール、Slack、Teams、Google Driveなど、現在利用しているツールでそのまま送信できるため、業務フローを変える必要はありません。専用ソフトのインストールは不要で、対応ブラウザとしてChrome、Safari、Edge、Firefoxなどが挙げられています。

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主な機能の一覧

  • メールアドレス指定によるファイル暗号化:受信者のメールアドレスを指定するだけで、その人だけが開けるファイルを作成。受信者側のアカウント登録は不要。
  • 生体認証(パスキー)による安全な解錠:受信者はスマホやPCの指紋・顔認証でファイルを開封。本人確認によりなりすましを防止。
  • アクセスログ機能(法人向け):いつ、誰がファイルを開封したかを記録し、管理や到達確認に活用可能。
  • 受け取り用の専用ページ作成:自分専用の受け取りページを作成し、相手に安全にファイルを送ってもらう案内が可能。法人向けには部署や事務所単位のページ作成にも対応。

これらの機能により、パスワードの作成や共有の手順を排しつつ、業務に適合した運用が可能になる仕組みが提供されています。

注意点として、パスキーを用いた生体認証の利用には対応しているパスワードマネージャー(例:Google パスワードマネージャー、2024年9月以降のApple パスワード等)が必要です。非対応環境では、代替として個人専用のパスワードを用いる方式が選択できます。

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パスキー(FIDO2)を用いた設計と安全性の説明

カギスルは、日本で初めてパスキー技術をファイル暗号化に実用化(当社調べ、2025年8月時点・商用サービスとして)したサービスと位置づけられています。ここでいうパスキーは、Webサービスの認証技術であるFIDO2に基づく方式であり、生体認証など端末内での強固な本人認証を活用します。

重要な点は、ファイルを開くための「鍵」情報がサーバーに保存されない仕組みです。ユーザーの端末内で認証が成功した一瞬だけ生成される鍵により暗号化・復号が行われるため、従来のパスワードや共有リンクのように鍵情報が外部から漏洩するリスクが低減されます。

技術的特徴の詳細

鍵管理
鍵情報はサーバーに保存されず、端末内の認証プロセスにより一時的に生成・使用されます。これにより、サーバー側が突破されても鍵が流出しにくい設計です。
認証方法
生体認証(指紋、顔認証等)やワンタイムコードを用いた本人確認を行います。これにより、受信したファイルが正当な受信者以外によって開封されるリスクを低減します。
互換性
対応パスワードマネージャーが必要な場合があるため、環境によってはパスワード代替手段を用いる運用が可能です。

これらの特徴が組み合わさることで、従来の運用で問題となっていた「鍵情報の漏洩」「パスワード管理の負荷」「共有リンクの誤用」といった課題に対して根本的に異なる対処法を提示しています。

サービス概要、提供開始日、料金体系と関連情報

サービス名はカギスル、提供元は株式会社IDEOJ(本社:東京都渋谷区)です。プレスリリースは2025年9月8日 10時19分付で発表され、カギスルの基本機能は2025年9月8日より無料で提供開始されました。なお、サービス自体は2024年10月14日より提供されています。

公式サイトおよび関連リンクは以下の通りです。

  • URL: https://kagisuru.ideoj.co.jp
  • カテゴリ: アプリケーション・セキュリティ、ネットサービス
  • キーワード: カギスル、パスワード付きZIP、PPAP、セキュリティ、メールセキュリティ、添付ファイル、生体認証、暗号化、FIDO2、パスキー

料金プラン

基本機能は無料で、ファイルの暗号化・復号が利用可能です。法人向けのプランは月額制で、グループ管理やアクセスログ機能など管理機能が含まれます。法人向けの詳細は問い合わせが必要とされています。

対応ブラウザはChrome、Safari、Edge、Firefoxなどで、専用ソフトのインストールは不要です。これにより導入時のハードルを下げ、利用環境の多様性に対応しています。

提供企業の方針と配布物

株式会社IDEOJは、特にセキュリティ対策に課題を抱える中小企業や専門事務所を対象に、専門知識がなくても導入できる安全なファイル共有環境を提供することを目指しています。今後は既存の業務システムとの連携機能などを強化し、企業のセキュリティ基盤を支えるサービスへと発展させる計画です。

プレスリリース素材として画像ファイルのダウンロードや、株式会社IDEOJのプレスキットが提供されている旨が明記されています。

要点の整理

以下の表は、本記事で取り上げたカギスルの主要情報を項目ごとに整理したものです。サービス名、提供開始日、提供会社、特徴、主要機能、対応環境、料金などを一目で確認できます。

項目 内容
サービス名 カギスル
提供会社 株式会社IDEOJ(本社:東京都渋谷区)
プレスリリース日 2025年9月8日 10時19分
サービス提供開始 基本機能の無料提供開始:2025年9月8日(サービス自体は2024年10月14日より提供)
主な特徴 メールアドレス指定で特定の相手だけが開ける暗号化ファイルを作成。パスキー(FIDO2)による生体認証で本人確認。サーバーに鍵を保存しない設計。
主な機能 メールアドレス指定暗号化、生体認証(パスキー)解錠、アクセスログ(法人向け)、受け取り用専用ページ作成
対応環境 Webブラウザ(Chrome、Safari、Edge、Firefoxなど)。対応パスワードマネージャーが必要な場合あり。専用ソフト不要。
料金 基本機能:無料。法人プラン:月額制(グループ管理、アクセスログ等、詳細は問い合わせ)
関連リンク https://kagisuru.ideoj.co.jp
備考 当社調べ(2025年8月時点)に基づく「日本で初のファイル暗号化におけるパスキー実用化」の表記がある。

本文では、カギスルが現状のPPAP運用や共有方法に対する具体的な代替手段を提示し、操作性と安全性の両立を図る設計である点を示しました。導入検討にあたっては、対応ブラウザやパスワードマネージャーの要件、法人向け機能の詳細について公式サイトおよび提供元への確認が有用です。

参考リンク: