9/12開始 シルバーウィーク2025、旅行回復は84%
ベストカレンダー編集部
2025年9月10日 13:25
シルバーウィーク2025動向
開催期間:9月12日〜9月23日

シルバーウィーク2025、旅行需要は回復基調にあるが2019年比で84%にとどまる
株式会社TimeTreeの社内研究所であるTimeTree未来総合研究所と、株式会社令和トラベルが運営する旅行アプリNEWT(ニュート)が共同で分析した結果、2025年のシルバーウィーク(2025年9月12日〜23日)に関する旅行動向が明らかになりました。TimeTreeはカレンダーに登録された「旅行」を含む予定データを解析し、NEWTは同アプリ内の予約データを解析しています。
分析の結果、2025年の旅行予定登録数はコロナ前の2019年水準に比べて84%に回復していることが確認されました。2020年(52%)、2021年(39%)の大幅な減少から、2022年以降は回復が続き、2023年は87%、2024年は90%と推移していましたが、2025年は前年をやや下回る結果となりました。旅行需要は安定して回復基調にあるものの、完全回復には至っていない状況です。

日別の傾向 ― 連休前半に旅行予定が集中
日別の予定を見ると、旅行予定は前後半ともに週末に集中する傾向が顕著で、9月13日(土)が最も多く、次いで9月20日(土)が多い日となりました。一方で連休後半の9月22日(月)、9月23日(火・祝)は旅行予定の登録数が低調にとどまっています。
興味深い点として、カレンダー上で「休」を含む予定登録を見ると、9月22日(月)が最多でした。これは20日(土)からの連続休暇を作りつつも旅行には至らず、休息を選ぶ層が一定数存在することを示唆しています。

年代別と旅行スタイルの二極化:若年層が需要を牽引
TimeTreeの予定データを年代別にみると、20代が最も多く、次いで30代が続いています。これに対して40代以降は年代が上がるにつれて旅行予定の出現頻度が低下しており、家庭や仕事など生活環境の影響が反映された傾向が確認されました。
NEWTの予約データと合わせてみると、旅行の取り方に明確な二極化が見られます。近場で短期間・低予算を楽しむ“安近短”と、休暇を工夫してあえて長い期間を確保し遠方へ行く“ゆったり遠出”が併存しています。

“安近短”と“ゆったり遠出”の特徴
- 安近短:渡航先は韓国、台湾、フィリピン、香港、ベトナムなどアジア近距離が上位。平均滞在は約2.5泊・2名で、短期間かつ低予算の旅行スタイルが中心。
- ゆったり遠出:ハワイなどの遠距離行きは、出発日に合わせて有給休暇を組み合わせることで大型連休化するケースが多く、長期休暇を取れる層が選択。
この二極化は、飛び石連休となった今年の特性や、休暇の取り方により旅行スタイルが分かれた結果と考えられます。

行き先トレンドの詳細:海外編・国内編
NEWTとTimeTreeのデータを合わせることで、海外・国内それぞれの具体的な行き先トレンドが見えてきました。ここでは海外編と国内編に分けて主要な傾向をまとめます。
両データを併用することで、予定登録だけではわからない宿泊数や旅行人数などの実態が明らかになり、旅行行動の理解に厚みが加わっています。

海外編:東南アジア中心の“安近短”が伸長、直前予約も目立つ
NEWTの予約データでは、今年のシルバーウィークの海外旅行先として韓国がトップ、続いて台湾・フィリピン・香港・ベトナムといったアジア近距離が上位を占めました。物価の安さや距離の近さが支持され、フィリピンやベトナムは前年から伸長しています。
平均的な旅行形態は約2.5泊・2名で、短期間で手軽に楽しめるプランが中心でした。また、海外予約の約3割が8月に集中しており、従来の「出発約3カ月前がピーク」という傾向に対して、直前予約(駆け込み予約)が増えている点が特徴です。
- 上位渡航先:韓国、台湾、フィリピン、香港、ベトナム(ハワイは6位)
- 予約時期:全体の約30%が8月に集中(直前予約)
- 平均滞在:約2.5泊、同行者:2名が目安
ハワイを選ぶ旅行者は、有給を組み合わせて大型連休化する傾向があり、日程の工夫で距離の遠さを克服する動きが確認されました。

国内編:定番都市に加え後半は自然系観光地や果物狩りが台頭
国内旅行では大阪・沖縄・北海道・東京が通期で安定上位でした。連休の後半(9月19日〜23日)には長野・那須・箱根といった温泉地や自然の豊かな観光地が上位に入り、前半と後半で行き先の性格が異なることが確認されました。
とくに大阪については、2025年10月13日に閉幕を迎える大阪万博との関連で万博参加の予定も確認されましたが、参加予定は連休前半の週末(9月13日、20日)に集中しており、イベント参加も前半偏重の傾向がみられます。
- 果物狩り(体験型レジャー)の傾向
- 9月は「ぶどう狩り」の予定登録が急上昇し、梨狩り、シャインマスカット狩りなども上位に入りました。予定データ上位300件を確認すると、果物狩りが多くランクインし、キノコ狩りや潮干狩りも存在しました。シルバーウィークならではの“食欲の秋”に直結する体験需要が高まっています。

調査概要と関連情報:データの範囲と取り扱い
本共同調査の分析対象とデータ取り扱いについては以下の通りです。TimeTree未来総合研究所とNEWT双方のデータを用いており、匿名性確保のため統計的処理を施しています。
調査の対象期間、対象データの性質、ユーザー数の推移など具体的な数字を明示します。
項目 | 内容 |
---|---|
調査主体 | TimeTree未来総合研究所(株式会社TimeTree) × 株式会社令和トラベル(NEWT) |
調査対象期間(TimeTreeデータ) | 2019年1月1日~2025年9月4日 登録データを対象 |
NEWT集計対象 | 出国日が2025年9月12日〜9月23日の海外ツアー予約データ |
ユーザー数(TimeTree登録) | 2019年1月時点で1,200万超、2025年5月時点で6,500万超 |
データの取り扱い | 匿名性を保持するため統計的に処理して分析 |
出典表記 | 出典:「TimeTree未来総合研究所」と旅行アプリ『NEWT(ニュート)』の「2025年シルバーウィーク旅行」共同調査(プレスリリース) |

関係者コメント(要旨)
TimeTree未来総合研究所 所長 深川 泰斗のコメントは、予定データと予約データを併用することで旅行行動の実態理解に厚みが出た点、および若年層が旅行需要の中心である点を指摘しています。国内では前半に週末を利用した旅行、後半は近場で気軽に行ける旅が多く見られる点を説明しています。
株式会社令和トラベル 執行役員兼リサーチ統括 大木優紀(Ohki Yuuki)のコメントでは、飛び石連休の影響で“安近短”の傾向が強まったこと、対照的にハワイなどで有給を組み合わせることで大型連休化する動きが見られること、韓国や東南アジアの支持理由として便の利便性と物価が挙げられる点が述べられています。

重要ポイントの整理(表)
この記事で触れた主要な結果と数値を表形式で整理します。調査結果の要点を一覧で確認できるようにまとめました。
項目 | 主な内容 |
---|---|
調査期間(シルバーウィーク) | 2025年9月12日〜9月23日 |
旅行予定の回復率 | 2019年比 84%(2023年87%、2024年90%) |
日別のピーク | 前半:9月13日(土)/9月20日(土)が多い。22日(月)は「休」予定は多いが旅行は低調。 |
年代別 | 20代が最多、次いで30代。40代以降は相対的に低調。 |
海外上位渡航先 | 韓国、台湾、フィリピン、香港、ベトナム(ハワイは6位) |
海外予約の特徴 | 平均約2.5泊・2名。予約の約30%が8月に集中(直前予約の増加)。 |
国内上位行き先 | 大阪、沖縄、北海道、東京。後半は長野、那須、箱根などが上位。 |
体験型レジャー | ぶどう狩り、梨狩り、シャインマスカット狩りが人気。キノコ狩りや潮干狩りもランクイン。 |
データ出典 | TimeTree未来総合研究所 / NEWT(令和トラベル)の共同調査(プレスリリース) |
以上が、TimeTree未来総合研究所と旅行アプリNEWTによる共同調査の要点です。調査では、予定データと予約データという異なる視点を組み合わせることで、シルバーウィークの旅行行動に関する具体的な傾向が明らかになりました。詳細なデータや分析条件については、両社の公開資料やプレスリリース本文を参照してください。
参照先:TimeTree未来総合研究所(https://timetreeapp.com/intl/ja/future-research-institute)、NEWT(https://newt.net/)